シンガポール国有企業傘下のヴァーテックス・ベンチャーズ(Vertex Ventures)が、仮想通貨取引所バイナンスに投資した。バイナンスが法定通貨対応の取引所をシンガポールで運営するのをサポートする。投資額は明らかになっていない。

ヴァーテックス・ベンチャーズはシンガポール政府の投資会社テマセク・ホールディングス(運用資産2230億ドル=約25兆円)の子会社。2015年に設立し、米国、中国、イスラエル、インド、東南アジア各国のポートフォリオを管理している。初期ステージの投資に特化し、現在運用しているのは25億ドルほどという。

バイナンスがシンガポールで法定通貨と仮想通貨ペアの取引所を運営するのを支援するため、ヴァーテックス・ベンチャーズ中国、ヴァーテックス・ベンチャーズ東南アジア、インドと共同投資した。バイナンスは9月に同取引所を開設する計画を明らかにしている。

東南アジアへの法定通貨サポート取引所拡大について、バイナンスCFOのWei Zhou氏は、バイナンスのシンガポールでの運営は、本人確認(KYC)と反マネーロンダリング法のコンプライアンス次第と述べた。

今月初旬、バイナンスは法定通貨と仮想通貨ペアを扱う初めての取引所をウガンダに設置した。同CFOは、アフリカ地域の持続可能な経済の安定に同取引所が役立つだろうと述べ、より多くのイノベーションをアフリカにもたらすと強調した。

バイナンスは今月、プラットフォーム上の疑わしいトランザクションを検出するため仮想通貨コンプライアンスプロバイダー兼調査会社のチェーンアナリシス社と提携している。チェーンアナリシス社は、KYC手続きを簡素化し、即時モニタリングシステムでトランザクションを監視することで、マネロン対策プログラムを提供するという。

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