ここ1カ月の仮想通貨市場は、堅調に推移しています。

FRBがジャンク債も購入するという手段を発表し、反発に加速がついた格好です。

新型コロナウイルスの状況を見てみると、世界各国の大都市がロックダウンを行ってから2週間ほど経過した後に、感染者数の伸びが鈍化し始めました。市場では早くもアフターコロナというキーワードが出てきており、トランプ大統領の発言を見ても「いくつかの州では非常に短期間、ほとんどすぐに再開が可能」とロックダウンの出口について検討している様子が伝わってきます。

新規感染者数 < 回復者数へ

さて、新型コロナウイルスで大きな被害を出しているイタリアの数値を見てみましょう。

1週間前の感染者は13万2547人でした。昨日時点では、これが15万9516人です。1週間で約20%の上昇率ですが、世界平均の50%と比較すると、明らかに上昇速度が鈍化しています。

そして回復者の数も伸びてきており、1週間前の2万2837人に対し、現在は3万7130人回復です。これは60%もの上昇率となります。

出所:Trading View

回復者の増加速度が上がり始めており、明るい兆しが見えてきています。仮に現在のペースが維持されると仮定すると、来週には、17万9679人の感染者に対し、回復者は4万6200人程度になります。

そうなると3週間後には回復者数は10万人に達しそうです。感染者は20万人を越えてしまいそうですが、死者数を差し引くと、残りの感染者は10万人を割り込んでくるでしょう。回復者数は1日3万人近いペースとなっていますので、2週間後には感染者数と同数にほぼ追いつくのではないでしょうか。

株式市場は、この変化を察知して今週上昇しているのだと考えられます。

これが維持されるのであれば、5月末にはかなり収束に近づいている可能性があり、6月からイタリア、スペイン、米国、ドイツあたりの国でロックダウンが解除される可能性が見えてきました。

仮想通貨売買戦略

リスクオンが続くのであれば、仮想通貨は主要なBTCとETHが良いでしょう。

アルトコインでは、出来高のあるMATICやLINKあたりでしょうか。なお、LINKEは先週に2月末の急落をほぼ埋めるほど上昇しています。

◇チェーンリンク(LINE)日足チャート

 

また米国株式市場も、ここから明確な回復者数の伸びを察知したファンド勢は買いに向かい始めているでしょう。昨日のNYダウは前日比558ドル高い2万3949ドルで引けています。

また、スペインとドイツの感染者数に対して回復者はすでに大幅な比率で増加しております。

出所:Trading View

特にドイツは、1週間前と比較して、回復者数が2倍に増加しており、あと3週間ほどでロックダウンが解除となる可能性もありそうです。現在、ドイツの感染者数は13万人程度に対して、回復者は6万8000人程度と半数が回復しています。来週には、もしかしたら10万人を超えるかもしれません。

コロナショックで一番持ちこたえていた主要国の株式指数は日本でしたが、今は米国です。それがドイツDAXとなり良い循環物色が発生しそうです。

ビットコインの半減期はすっかり横に置かれているような状況ですが、13日付の日経新聞には半減期の記事が出ていました。

参考:ビットコイン、半減期を覆うコロナ不安 くすぶる下値リスク

ポジティブな記事ではないですが、株式市場の上昇が一巡した後には、仮想通貨市場に資金が流入することを期待したいですね。