3月は弱い相場傾向があったビットコイン。
ロシアのウクライナ侵攻というテールリスクがあり、一時は月初から10%以上の下落となりました。しかしその後は、小麦や天然ガス、原油などの価格上昇によるインフレヘッジやロシアがSWIFTから排除されたことによる送金・決済手段としてビットコインが使われるのではないかという期待で買われ、上昇に転じました。
終わってみれば3月のビットコイン相場は陽線で引け、56万円高くなり、10%ほど上昇しました。
その状況を受けて、ビットコイン相場が強い傾向にある4月を迎えました。
期間:2017年~2021年
過去の統計では4勝1敗となっていますが、1負はコインベースの上場があり史上最高値を更新し704万円を付けた2021年です。そのため、実質的に4月はすべて上昇しているといえます。
なぜ4月にビットコインが上昇しやすいかというと、以前は中国でのマイニングが主流であったことが影響しています。雨季の水力発電で電気代が安くなったところに、マイニングマシンをフル稼働されることでハッシュパワーが上昇するためです。
また、マイニング製造大手であるビットメイン(BITMAIN)によるマイニングマシンの販売が行われる時期でもありました。マイニングマシンはビットコインで購入されることがあるため、発売日にビットコインの買いが集中。これが相場を押し上げる要因でした。
しかし、2021年には中国当局の方針によりマイニングが禁止されました。そうなると、過去の4月の強さはアテにならないのでしょうか。
否、筆者は今年も4月はビットコイン相場が強いと予想します。
なぜなら、もともと4月は株が上昇しやすいという季節要因があります。
ナスダック、NYダウ、S&P500の月ごとの騰落率
期間:1985年~2020年
ご覧の通り、4月は1年を通してNYダウ、S&P500、日経平均株価がどの月よりも上昇しやすい傾向にあります。そのため、株価との相関性が高いビットコインも買われやすいということが分かります。
さらに、米10年債金利も上昇していることから、ドル円が上昇しやすく、対円のビットコインが上がりやすい状況にあります。インフレ率が高止まりしていることも、ビットコイン相場には追い風でしょう。
過去の騰落率から算出すると、4月のビットコイン相場は685万円付近まで上昇する期待値があるのではないかと予想することができます。
●計算式
553万円(始値)× 24.0%(過去の4月騰落率)=685万7200円
なお685万円という水準は、昨年ビットコインETFが米国で承認されて上昇したサポートライン付近であり、ターゲットにしやすい水準にも見えます。
●ビットコイン(BTC/JPY)週足チャート
偶然計算された価格ですが、 2021年4-5月にも節目となっていることから、良い目標価格となるのではないでしょうか。
さて、2016年に当時のみんなの外為から投稿をはじめ、2017年5月から開始したこの連載も、本日で終了となります。ご存知の方もいるかと思いますが、筆者は金融ソリューション開発企業を経営しております。有難いことに仕事が忙しくなったこともあり、長らく続いた連載を終了させていただく運びとなりました。
今までの投稿を数えると、なんと355本もありました。
この間に、ビットコインは5万円から780万円へと150倍にも上昇し、当時では考えられなかった仮想通貨ブームが到来しました。しかし、その代償としてか、大規模な資産流出や法規制が行われ、特に国内の仮想通貨業界は非常に厳しい目にあったと感じています。
今年に入り、ホワイトリストの追加もスムーズに行われるようになり、少しづつ交換業者を取り巻く状況が明るくなってきているようです。
当コラムを参考にしていただき、少しでも投資のヒントをお届けできたのであれば幸いです。