仮想通貨取引のレバレッジ引き下げは正しいのか

筆者: ひろぴー

2019年は仮想通貨の自主規制団体であるJVCEAの規制により、取引所の最大レバレッジが4倍にまで引き下げられました。それまでは、最大で25倍あった取引所もありましたが、軒並み4倍となりました。

この最大の目的は、顧客資産の保護ですが、本当でしょうか。

今回は、レバレッジ引き下げは本当に正しいのかどうか考えてみたいと思います。

FX業界でもあったレバレッジの引き下げ

仮想通貨の話をする前に、読者のなかにはFXにも同じことがあったことに気がつくと思います。

日本のFXは、2010年まで最大レバレッジの上限がありませんでしたが、2010年に50倍、2011年に25倍まで引き下げられました。※個人口座のみ

2018年には10倍に引き下げられるという話がありましたが、取引所取引であるくりっく365では25倍が維持されるといった話がありました。これは、特定の取引所を優遇しているとしか思えないという業界関係者からの声もあり、結局は立ち消えとなりました。

参考:FXの10倍レバレッジ規制改悪を考える会

レバレッジ規制の背景には、投資家保護を謳いながら、裏ではアンフェアな思惑があるという過去を忘れてはいけません。

仮想通貨のレバレッジ規制

では、本題に入りましょう。

結論から申し上げますと、仮想通貨取引において、これ以上のレバレッジ引き下げは望ましくないと考えます。

まず、今年仮想通貨のレバレッジ引き下げがあってから、良かったという声を誰ひとりとして聞いていません。筆者は普段から数多くの個人投資家との交流がありますが、ひとりもいないのです。

では25倍で良かったのかと言えば定かではありませんが、レバレッジの設定は行えるようになっていました。つまり、相場の急変時のリスクは自信でコントロールできる状況だったのです。

取引システムが不安定な仮想通貨業界ですから、本来強制ロスカットされるはずだった価格を大きく下回っていた、という話も多々ありますが、それは約定の問題でレバレッジとは関係ありません。

逆にレバレッジ引き下げによる弊害は多く聞かれます。

一番の問題は、流動性の枯渇です。

ビットコイン(現物&レバレッジ取引)の売買代金を見てみましょう。

出所:Bitcoin日本語情報サイト

例えば、ビットフライヤーはビットコインのレバレッジ取引において世界トップレベルを誇っていました。

同社は5月15日にレバレッジの引き下げを行うと発表し、7月30日に最大15倍から4倍に引き下げました。

アナウンスが行われた月は相場の盛り上がりもあり12兆円越えを記録していますが、80万円から150万円まで急伸した6月には売買代金が半減するという異常値が見られます。

この資金の多くは、海外取引所に流れたようで、ビットメックスの取引高の4割程度は日本人だという話も聞きます。

悪いことに、売買代金はゆっくりと減少しています、これは売買を行う人が減ったことで流動性が無くなり板の厚みが減少。取引しづらくなったユーザーが離脱するという動きがあるのではないかと予想します。

投資家にとっては、売買がしづらいことから、買いたい時に買えず売りたい時に売れなくなり、隠れ損失が発生しているのではないでしょうか。

取引所の収益にも影響しており、開発資金も削られるという悪循環になるのではないでしょうか。

投機は流動性を供給

一般的にレバレッジ取引を行う人は投機家とされ、あまり良い印象をもたれません。しかし、彼らは流動性を供給しており、いつでも安定した売買を可能にしてくれています。つまり、「投機がいないマーケットこそ、市場は安定しない」と考えて良いのではないでしょうか。

筆者は、この理論を強く提唱します。

せめて、仮想通貨のなかでも価格が安定しているビットコインやリップルなどのレバレッジは10倍程度に留めておき、他のアルトコインは4倍にしておくなどの設計が良いのではないでしょうか。

本当に投資家の資産保護を行うのであれば、1日に20%以上値動きもあり、連続ストップ安が起こると追証も発生しうる株式取引においてレバレッジが約3.3倍もある方こそ規制すべきでしょう。

仮想通貨の適正レバレッジ

最後に、仮想通貨の適正なレバレッジはいくらなのか?この疑問に関して、ビットフライヤーの加納裕三氏のコメントを抜粋させていただきます。

FXの最大レバレッジである25倍と英ポンド円の値動きから導き出したビットコインの適正レバレッジは、 7.6倍から5倍になるそうです。ちなみに、4倍のレバレッジ規制以降、日本の仮想通貨事業者全体の赤算はほぼゼロになったようです。

しかし、「レバレッジを下げすぎると、流動性は枯渇する。板に乗っている注文の量も減り、それが原因で大きく動くことになり、(投資家保護の理念と相反する)悪循環ともなりえる」と行き過ぎた規制による流動性の枯渇に繋がることを危惧しています。

また、「顧客不在の議論とならないように、最適な顧客保護と業界の発展のバランスに鑑みた制度設計が議論されることを期待している」とコメントしており、最大の関係者であるユーザーが置き去りになっていることを懸念しています。

 

既に仮想通貨業界に大きな影響をみせているレバレッジ規制。このまま4倍のままであれば、仮想通貨の出来高で日本がトップに返り咲く日は2度と来ないでしょう。

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※本記事の意見や予測は、筆者の個人的な見解であり、金融商品の売買を推奨を行うものではありません。
投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

ひろぴー

ひろぴー

CXRエンジニアリングCEOとして金融取引ソリューション企業を経営。投資暦は10年以上。株式投資から開始し、FX、先物、商品まで取引。2014年から仮想通貨に投資を開始。同時に仮想通貨投資のエバンジェリストとして執筆・セミナー活動を開始。FX市場で鍛えた世界の投資マネーの潮流を読み取る分析力を武器に、仮想通貨取引でも高い実績を叩き出す。ビットコインFXブログ(https://bitcoin-fx.jp/)を運営中

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