ビットコインの価格が80万円台まで落ち込み、今は1,00万円付近まで回復していますが、先日のビットコインの急落はBakkt(バックト)の先物取引にマイナーが失望し、ハッシュレートが急落したからだという声があります。
ビットコインの価格の上下には多くの要因が複雑に絡み合っており、「これだ!」というような要因を明言することは非常に難しいことが現状です。
しかし、その時にビットコインの価格を上下させた要因を考えておくことは後の取引につながるといえるので、今回はBakktに焦点をあてて、ビットコインの急落について考えていきましょう。
Bakktに対するマイナーの失望がビットコイン急落の原因?
冒頭でも述べた通り、ビットコインの急落には、ビットコインのハッシュレートが急落したことが要因だとする声があります。
Bakktという機関投資家向けのビットコイン先物プラットフォームが23日に開始されましたが、見込んでいたほどの盛り上がりを見せず期待外れだったという見方をする人もいます。このことによってビットコインの価格上昇を望むことはできないと失望したマイナーが、マイニングをやめてしまったことが価格急落に絡んでいるのではないかという推測です。
ビットコインの価格言動には様々な要因があることから、マイナーの不満が爆発したことも変動要因として考えることもできるでしょう。しかし、これが明らかに今回の価格急落の要因であるとするのは、少し弱いと感じるというのが正直なところです。
それではここまでに述べたことをもう少し掘り下げるために、マイナーを中心に期待外れだといわれたBakktが、そもそもどのようなプラットフォームであるのかを詳しく解説していきます。
Bakktとは何なのか?
Bakkt(バックト)とは、ビットコインなどの暗号資産を実際の店舗でクレジットカードのように決済利用できるサービスのことであり、ビットコインの実用性を促進するサービスとされていました。
実際に、スターバックスやマイクロソフト、BCG(ボストンコンサルティンググループ)など、複数の企業や著名人も注目しており、スターバックスは2020年初頭にもテスト導入を開始するとしています。
ビットコインは登場当初は投資対象としての見方が強い傾向にありましたが、最近では情勢不安など有事の資産逃避先として選ばれるなど、資産としての地位を確立し始めている段階だといえます。そこに、実店舗でも決済利用することができるという実用性が加われば、ビットコインの価値はさらに高まることが期待できると予想できます。
しかし、現実はそう甘くはありません。
Bakktはそもそも盛り上がっていない
Bakktに対する期待感が高まっていましたが、いざローンチすると市場への影響が限定的であり、思っていたほど市場は盛り上がらない結果となりました。この結果に対して、Bakktは昨年頃からアナウンスされていたこともあり、実際にローンチされるまで期待感によって価格が上昇し、実際にローンチされた時点で投資家が利確するセル・ザ・ファクトの状態であったともいえます。
また、コインチェックの松本CEOはBakktについて、そもそもそこまで盛り上がっていないと意見しています。暗号資産周辺の規制はまだ完全に整備されていないことから、Bakktのビットコイン先物プラットフォームも取引環境が十分には整備されていないと考えることができます。
証券会社などの金融機関は信用のうえに成り立っている部分が大きいため、まだまだ不安定な部分が多い暗号資産は機関投資家や企業が扱う基準には達していないという冷めた見解を持っていると考えられます。
以上のことから考えると、今回のビットコイン価格の急落にBakktが絡んでいるとするならば、Bakktに対して先走って期待し過ぎたことが要因だといえるかもしれません。
Bakktは長期的な目線で追うことが賢明
ここまでに述べたことをまとめると、Bakktは直近までは期待感が大きかったものの、ローンチ後は暗号資産業界に限定的にしか影響を与えなかったことによる失望感から、ビットコインが80万円台まで落ち込む事態につながったと考えることができます。
ただ、2017年にローンチされたCBOEやCMEのビットコイン先物も、ローンチ直後はそこまで大きく盛り上がらず、2017年末から2018年初めまでの暴落の要因ともいわれていましたが、その後1年は出来高を徐々に伸ばしていきました。しかも、CMEは先物取引がしやすいように、先日オプション取引のローンチもアナウンスしました。
このことから、今はそこまで盛り上がっていないBakktの先物も、長期的な目線で追う方が賢明だといえます。
ビットコイン界隈は価格の値動きについて、目先のサービスやニュースなどに翻弄されることを繰り返している印象を受けます。
暗号資産の大きなボラリティと規制の状況を考えれば、どんなに良さそうなサービスであっても機関投資家や金融機関などはすぐには飛びつかないことが推測できますし、今後に控えている半減期を考えると、暴落する可能性もありますが今後急騰していく可能性も十分考えられます。
以上のことから、ビットコイン関連のサービスや誰かの予測で右往左往するのではなく、ビットコイン自身が今どのような状況にあるのかをしっかりと見極めたうえで、動向を見守る方が良いといえます。
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