世界が変わる!?ビットコイン投資家待望のETF承認
2023年に200万円前半だったビットコインは、およそ1年間で1000万円へと4倍以上に上昇しました。
この主な要因は、1月11日に米証券取引委員会が、ビットコインの現物ETFの承認を行ったことが大きく影響しています。
この動きは、11月から年内には承認されるのではないかと噂になっていました。年末になると、1月2週目にはほぼ間違いなく承認されると金融メディアで何度も報じられ、ビットコインはその期待感で大きく買われていました。現物ビットコインのETF承認は、業界の悲願であり、歴史的瞬間です。
では、ビットコインの現物ETFが承認されると、なぜビットコインが上昇しやすいのでしょうか?
いくつかある理由を解説していきます。
ビットコインの投資家層の拡大
一般的に、ビットコインを購入するには、暗号資産交換業者に口座開設を行い、購入する必要があります。
証券口座での売買ができないため、新たに口座を作成するには少し手間が掛かってしまいます。
しかし、ETFであれば既存の証券口座で購入することができるため、投資が安易になります。
また、ハッキングなどにより資産が流出してしまう心配がないこともETFのメリットです。
機関投資家の参入障壁の引下げ
2020年12月に、米生命保険大手であるマスミューチュアル生命保険が、1億ドル(約104億円)をビットコインに投資したことが話題になりました。
出所:https://www.coindeskjapan.com/91802/
当時は、手堅い運用を行う生命保険会社がビットコインに投資を行うことが衝撃的であり、エポックメーキング(その出現の以前と以後とで社会的に大きな違いが生じるような有意義 なこと)と叫ばれました。
ビットコインの現物ETFが承認された後に、こういった動きが加速すると予想されています。実際に、大手の金融機関であるフィデリティが、カナダ基金のビットコイン割り当て比 率を1%~3%に引き上げたことが報道されています。
出所:https://www.binance.com/ja/feed/post/2024-02-07-1-3-3803134714610
3月11日にロンドン証券取引所は、暗号資産を運用対象とする上場投資証券(ETN)について、2024年4〜6月に上場申請の受け付けを始めると発表しました。
出所:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR11CWN0R10C24A3000000/
このように、機関投資家が参入する動きが続いています。その規模がいかに大きいかということが、次の段落で説明します。
世界最大の運用会社ブラックロックやフィデリティのETF
7兆ドル(約1,000兆円)の市場規模を持つETFには、金や不動産に投資するETFが多く存在しています。
金の価格は上昇し続けており、2024年3月時点で史上最高値を更新しています。この金の上昇の一つの要因としても、2004年に金のETFが承認されたことが大きいとされています。
では、ビットコインのETFはいかがでしょうか。取引が行われた初日の売買代金は、過去の全てのETFの取引高を上回る60億ドル規模(約8700億円)活況を記録しました。
一番取引されたグレイスケール社のGBTC:23億ドル(約3300億円)と、1日のETF取引高で過去最高を記録。
ブラックロックのIBIT:10億ドル(1450億円)
フィデリティの FBTC:7億ドル(1015億円)
※ドル円145円で換算
2日目以降もこの勢いは衰えず、77億ドル(約1.1兆円)を上回る規模の売買が行われました。
東京証券取引所の1日の売買代金が2兆円前後であることを考えると、ビットコインのETFがいかに投資家から取引されているか分かる数字といえます。
3月に入ると、世界最大の運用資産を誇るブラックロックが、ビットコインの現物ETFをファンドの運用として組み入れる申請を行ったことが判明しました。
特に、ブラックロックのストラテジック・インカム・オポチュニティーズ・ポートフォリオ(BSIIX)というファンドの運用資産は365億ドル(約5兆3600億円規模)を有しており、そのインパクトは大きいことが分かります。
今後の相場の行方|専門家の見解
野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミストである木内 登英氏によると、現在ビットコイン市場には、現在3つの追い風が吹いているといいます。
第1は、ビットコインの現物ETFの上場。その理由は、上記で示した通りとなります。
世界最大規模の暗号資産ファンドのひとつであるビットワイズは、第2四半期に兆ドル単位の流入があると予想しているようです。
出所:Xの公式ポスト
第2は、米国での利上げが一巡し、2024年には利下げが視野に入ってきたこと。これにより、ボラティリティが高く、利払いや配当などのキャッシュフローを生まない暗号資産でも、選好されやすい地合いになるとしています。
そして第3は、ビットコインの半減期が近づいていること。これにより、需給の改善を通じて、ビットコインの価格を押し上げるとの期待もあるといいます。
この半減期が、ビットコインの価格形成に大きな影響を与える旨を、次の章で解説します。
出所: 現物ETF上場後のビットコインの展望と課題
まだまだ続く好材料、半減期を解説
ビットコインのETF承認に次いで、2024年4月20日前後に、※4年に一度しかこないビットコインの一大イベント「半減期」を迎えることになります。
正確には、ビットコインのブロックが21 万ブロック生成された時。
ビットコインのブロックは、約10分に1つ生成される仕組みのため「10分×21万=約4年」
半減期とは、ビットコインのマイニングで世の中に出てくるビットコインの数が半減する時期のことを指します。ビットコインの流通量を調整するために、約4年ごとに、マイニング報酬が半額となる仕組みです。
マイニングとはビットコインの計算を行う作業のことで、約10分間で作業が完了するように設計されています。
半減期でなぜ価格が上昇しやすいのか
半減期の前後は、ビットコインの価格が非常に上昇しやすいと言われています。
主な理由として、供給量が減少し、希少性が上がることが挙げられます。
マイニングで得られるビットコインが半分に減少し、供給が絞られるため、マイナーが市場で売却する量も半減します。
市場での買い手が変わらない場合、需給関係が良くなり、価格が上昇しやすいと言われています。
先ほど挙げたビットコインの現物ETFの購入規模とマイニングで出てくるビットコイン料を比較すると、現在の市場でいかに需要(買い手)が大きく、供給(売り手)が小さいかが分かります。
現在、1日に900BTCがマイニングにより産出されています。これは、ビットコインが1000万円の時に90億円規模となります。
一方で、ビットコイン現物ETFでは、毎日平均して628億円規模のビットコインが購入されています。
※2/22-3/11までの12営業日の平均値
出所:https://twitter.com/BitMEXResearch/status/1767451778054807797
ここだけで判断することもできませんが、差引、500億円規模以上の買いが上回っていることが分かります。実際に、ビットコインの現物ETFが承認されてから大きく相場が上昇 していることから、その影響があると考えられます。
この毎日900BTCの産出量が、半減期後に450BTCとなるため、より需給が良くなるといえそうです。
半減期後の市場傾向
4年に一度のビットコイン半減期後の1年間で、過去にはビットコインは大きく上昇していることが分かります。
ただし、2020年はコロナ渦の金融緩和による株高や、生命保険会社やテスラなどのBTC購入、米国最大の取引所コインベースの上場や、ビットコイン先物のETF承認など、好材 料が多数出たことが大きく関係しているでしょう。
徐々に、その上昇率は低下傾向にあるものの、ビットコインの現物ETFを通した売買が行われることが期待されます。
アナリストの意見を見ても、明るい意見が多くなっています。
ブルームバーグ・インテリジェンスとマトリックスポートは、「次の半減期は少なくとも8 1%の上昇を引き起こす可能性を秘めている」としています。
ビットコインが1000万円であった場合、1810万円にまで上昇する可能性があることになります。
一方で、半減期での価格上昇の原因とするのは疑わしいと主張する人もいまると、ブルームバーグの記事で報じています。
2回目の半減期が起こった2016年の翌年に、2017年の世界的な暗号資産ブームが起きました。これにより、ビットコインが認知されつつあった時期で、またイニシャル・コイン・ オファリング(ICO)による特需と重なったことが要因とされています。
参考:ビットコイン「半減期」とは何か、価格上昇につながるか (Bloomberg)
今後の展望と注意点
現在、暗号資産を取り巻く環境は非常に好転しています。
今回の記事の主なテーマとして挙げた「ビットコインの現物ETFの承認」が行われ、売買は空前の活況。そして、過去に上昇した例がある半減期を向かえることは、好材料です。
ただし、過去の値動きでは4年に一度は大暴落を起こし、ほぼすべての期間で、1年間で高値から半値まで下落しています。
また、株式相場の下落との相関性も高く、ビットコインは株価指数よりも下落率が高いため、まだまだ上がり続けるという妄信はキケンでしょう。
それでも、ビットコインをめぐる歴史的な瞬間が訪れていることや、4年に一度の半減期が迫っていることから、これまで以上にビットコインが世間から注目される可能性が非常に高 いと言えるでしょう。
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