株式市場には様々な※アノマリーがあります。
※理論的根拠がある訳ではないものの、相場においてよく当たる経験則やパターンのこと
「節分天井彼岸底」であったり「セル・イン・メイ」などは有名なアノマリーです。
そこで今回は、 株式・為替市場において 比較的精度の高い「8月末買い12月末売り」と「10月末買い4月末売り」の2つのアノマリーに焦点を当てて、ビットコインにも当てはまるのかどうかを検証してみたいと思います。
8月末買い12月末売り
まずは4カ月勝負のこのトレード。
マネースクエアのチーフストラテジストである津田隆光氏が主要株価指数とドル円などの通貨ペア別に成績を出してくれていたので、ご覧ください。
驚くべきことに、検証データの全てが勝ち越しており、NYダウに至っては勝率90%を誇っています。
なぜこれほどのパフォーマンスとなっているのか、その理由に関しては説明されていないのですが、8月に米国債の大量償還で相場が下落したところを買い、11月のクリスマスセールに絡むブラックフライデーで相場がピークを迎えたところで売却すれば良いパフォーマンスとなる、という理由がもっともふさわしいと思えます。
では、ビットコインはどうなっているのか、2016年以降の価格データを見てみましょう。
◇ビットコインの8月末買い12月末売り
勝敗 | 2勝2敗 |
平均上昇率 | 59万6081 |
わずか4年の結果ではありますが、どうにもエッジが利いていない結果となりました。
上昇は2016年と2017年であり、これは中国人によるキャピタルフライトと仮想通貨ブームによる上昇。
一方、下落した2018年はハッシュ戦争。2019年は11月に中国が仮想通貨取引所により厳しい取り締まりを行ったことで下落しました。
平均上昇率が非常に高いのは、言うまでもなく2017年に115万円の上昇があったからです。
10月末買い4月末売り
半年間のこのトレード。10月末は、米国の自社株買いが行われ、株価が上昇しやすい時期です。そして、セル・イン・メイの5月前に売り抜けることが目的でしょう。
2009年以降のNYダウ、日経平均、米ドル円の勝率は、以下の通り。
年 | NYダウ | 日経平均 | 米ドル円 |
---|---|---|---|
2009 | × | ○ | ○ |
2010 | ○ | ○ | ○ |
2011 | ○ | ○ | ○ |
2012 | ○ | ○ | ○ |
2013 | ○ | ○ | ○ |
2014 | ○ | × | ○ |
2015 | ○ | ○ | ○ |
2016 | ○ | × | × |
2017 | ○ | ○ | ○ |
2018 | ○ | ○ | × |
2019 | ○ | ○ | × |
勝率 | 90.9% | 81.8% | 72.7% |
そのそも、株高になっていることから、勝率は高くて当たり前となっており、米ドル円も2012年からはアベノミクスにより上昇しやすい相場となっていました。
では、ビットコインはいかがでしょうか。
勝敗 | 1勝3敗 |
平均上昇率 | -243730 |
結果は、大負けとなりました。勝ちは2018年10月から2019年4月にかけての1度しかありません。
そもそも、ビットコインのマイニング市況が良くなる4月~8月をほとんど外れているため、ファンダメンタルズ的には下がって当然という結果となりました。むしろ、売った方が安定的なパフォーマンスが得られそうです。
今後も仮想通貨の検証シリーズは続けていきますので、 取引の参考になりますと幸いです。