値動きが落ち着きつつある仮想通貨市場ですが、気になる話題が2つあります。

  • 匿名通貨の売買代金が急増
  • ビットコインキャッシュの分裂に警戒

中期的に仮想通貨市場を大きく動かす可能性があるため、お伝えしたいと思います。

匿名通貨の売買代金が急増

先週10日あたりから、仮想通貨市場全体の売買代金が伸びています。

11日には24兆円にまで急増するなど、相場全体が小動きのなかで非常に大きな数字となりました。

仮想通貨別の売買代金は、テザーがトップで次いでビットコインというのがもう何年間も変わってません。しかし、先週1週間の売買代金をみると、モネロ、ダッシュ、Zキャッシュのいわゆる匿名通貨の3つが上位にランクイン。過去1カ月間まで遡ってみると、8月前半からじわじわと売買代金が伸びてきていました。

出所:7日間の売買代金ランキング:対円通貨ペア

匿名通貨の売買代金がここまで増加するのは、異例のこと。もしかすると、キャピタルフライトかハッキング絡みの動きが出ているのかもしれません。今日になり、匿名通貨の売買代金はこれまでの10分の1程度と急激に縮小。1日の売買代金も13兆円程度に落ち着いています。

ビットコインキャッシュの分裂に警戒

もうひとつは、決定的となったビットコインキャッシュの分裂騒動です。

8月6日に、ビットコインキャッシュのハッシュレート3位に位置する大手マイニングプールViaBTCのHaipo Yang CEOは、新たにビットコインキャット(仮称、BCC)プロジェクトを開始する意向をツイートしました。


なぜ、ビットコインキャッシュなのかというと「Cat(猫)は可愛いし、無害である。戦争は起こらない」なのだそうです。

分裂の発端は、新たにマイニングされたBCHの8%を開発用のファンドに送る「コインベース ・ルール」の導入。マイナー側からすると、報酬が減るので反対派が出てくるのは必定でしょう。ビットコインABCによると、このリリースは11月15日に実行すると発表しているため、ここで反対するマイナーが新しいチェーンに応じずフォークしてしまう、つまりビットコインキャットが誕生する可能性があるということです。

現在のところ、ノードはおよそ半分に分かれていることから、ビットコインキャッシュの価格が大きく下落することは避けられないでしょう。ビットコインSVの時のように激しく揉めているわけではないですが、ビットコインにも資金が入りづらくなったり、現在のレベル感のままであれば100万円を割れる可能性も考えられそうです。