2020年末から2021年1月上旬にかけてビットコインが大きく上昇。

これにより大量にビットコインを保有する企業やファンドは、一時資産が3倍以上に膨れ上がりました。

グレイスケールを通じた大量保有は続いており、流通量は減少。FXcoinでは、現在発行されている1861万BTCのうち、390万BTCしか流通していないと分析しています。

参考:ビットコイン(BTC)と金(Gold)の共通点と相違点

需給が良いため、極端にいうと数少ないビットコインを皆で奪い合っている状況とも言えます。

今回は、ビットコインを大量に保有している企業や人物とは誰なのか。そして、いったいどれだけ保有しており、その規模は流通量のどれくらいにあたるのか解説します。

ビットコイン保有者上位10

順位 保有者 投資金額 時価総額 保有量(BTC) 全体比率(%)
1 ナカモトサトシ - 3兆8500億円 110万 5.55%
2 グレイスケールビットコイントラスト - 2兆1579億円 61万6558 2.94%
3 ウィンクルボス兄弟 約12億円 5250億円 15万 0.80%
4 マウントゴックス(Mt.Gox) - 4959億円 14万1686 0.68%
5 ブロックワン - 4900億円 14万 0.67%
6 ロジャー・バー - 3500億円 10万 0.53%
7 マイクロストラテジー 約1100億円 2724.4億円 7万784 0.34%
8 コインシェアーズ/XBTプロバイダ― - 2440億円 6万9730 0.33%
9 ルファーインベストメント 約577億円 1575億円 4万5000 0.21%
10 テゾスファンデーション - 868.28億円 2万4808 0.12%
 

※時価総額はビットコイン350万円で算出

企業やファンドは公式で発表されている数値ですが、人物に関しては一般的にいわれている保有量となります。

1.サトシナカモト

1位は不動のビットコインの提唱者であるサトシナカモト氏。彼のウォレットは多くの人に監視されているようですが、いまだに一度も動いたことが無いようです。

2.グレイスケールビットコイントラスト 

2番手につけるのが、ビットコインの投資信託を手掛けるグレイスケールのファンドです。2020年に、運用資産を2倍以上とし、年初から毎日100億円規模の購入を続けています。

このペースが続くと、2022年には、サトシナカモト氏の保有量を超えてくる可能性があります。

3.ウィンクルボス兄弟

ウィンクルボス兄弟はフェイスブックのアイディアを盗んだとして、マーク・ザッカーバーグ氏を訴え、賠償金として6500万ドル(約73億円) を得ました。

2013年に、そのうちの約12億円をビットコインに投資。その量は15万BTCとされており、これは当時の流通量の1%に相当したそうです。

4.マウントゴックス(Mt.Gox)

2014年に大規模な資産流出事件を起こした当時最大の仮想通貨取引所であったマウントゴックス。破産に伴うビットコインの払い戻し問題は今も解決しておらず、コールドウォレットには14万以上のビットコインがあるほか、ハードフォークによって得たビットコインキャッシュやビットコインゴールドも保有しています。

そのマウントゴックスと同じだけの量を保有するブロックワン(Block.one)は、EOSプラットフォームを構築したスタートアップです。

サトシナカモト氏を除くと、個人で最大規模の仮想通貨を保有していると言われているのがビットコインの神(Bitcoin Jesus)と呼ばれているロジャー・バー氏。

ビットコイン以外にもイーサリアムやビットコインキャッシュも大量に保有しているとされており、1ドル以下の時には無料で配るということもしていたようです。

7.マイクロストラテジー

マイクロストラテジー社は、企業としてビットコインを一番多く保有しています。

インフレヘッジとして、2020年8月からビットコインを購入。現在、約7万784BTCを保有しており、金額にして2724億円。平均保有価格は181万円程度で、含み益は1624億円程度だと推測できます。

同社の財務準備金ポリシーは、資産の9割をBTCにするとなっており、今後も継続的にビットコインを購入してくることが予想できます。

その他にも、確認が難しい大量保有しているとされる国や企業を紹介します。

ブルガリア共和国:犯罪組織の取り締まりにより、21万3519BTCを押収したとされています。

仮想通貨取引所ビットフィネックス(BitFinex):テザーなどの発行などから約16万BTC以上を保有しているとされています。

デジタルカレンシーグループ創業者のバリー・シルバート:ベンチャーキャピタリストでもある同氏は、2014年米国司法省連邦保安官局で行われたオークションで4万8000BTCを落札しました。

ベンチャーキャピタリストのティム・ドレーパー:スカイプの投資によって大富豪になった同氏は、バリー氏と同じで3万ビットコインを落札したとされています。また、テゾスを支援したとしても有名です。


そして、2019年に大きな問題となったポンジスキーム(出資金詐欺)のプラストークン関連のウォレットにも最大で20万BTCがあったとされています。一部は既に売却されていますが、いまだに18万BTC、640万ETH、11万1000USDTは彼らの手の中にあるようで、その規模は7000億円を超えています。

これらは売却される恐れがあり、その際には相場を大きく動かす要因となります。