昨日から仮想通貨(暗号資産)相場は上昇に転じ、主要仮想通貨のほぼ全てが上昇する強い相場となっています。

背景には、次の2つが考えられます。

1.ロシアとウクライナの停戦交渉の進展期待
2.FOMCでの利上げとパウエルFRB議長の発言

株式市場も強く、加えてドル円が2016年2月以来となる119円を付けるなど急速に円安が進行する場面もあり、この上昇トレンドは継続するかもしれません。

1.ロシアとウクライナの停戦交渉の進展期待

昨日もロシアとウクライナの停戦に向けた交渉が行われました。午後11時30分ごろに、交渉進展をにおわすヘッドラインが飛び出し、ユーロを始めとしてあらゆる金融商品が買われ相場はリスクオンとなりました。

「ロシアとウクライナは戦争終結のための計画を作成している模様」
「ウクライナが中立を宣言し、武力制限を受け入れた場合、停戦とロシア軍撤退を含む暫定的な平和計画で大きな進歩を遂げた」

フィナンシャルタイムズが報じました。

しかし、15分後には停戦合意とはならなかったことが報じられました。相場は元に戻ってしまいましたが、ゼレンスキー大統領が米議会での講演を行ったことが投資家心理を好転させているのかもしれません。その後も、株式市場は強さを維持していました。 

真珠湾攻撃や9.11米国同時多発テロを引き合いに出し、さらにはキング牧師の「I have a Dream」というフレーズを使い協力を訴えかけました。

ロシアも苦しい状況であることは間違いないようですから、引き際としてちょうど良い材料が揃えば、停戦となるのかもしれません。

2.FOMCでの利上げとパウエルFRB議長の発言

今日の午前3時に発表された米国金融政策を決めるFOMCでは、市場の予想通りにFF金利誘導目標が0.25%引き上げられました。

FOMCメンバーは、16人のうち11人が2023年末までに、政策金利が中立金利の2.4%を超えると予想したことが分かりました。さらには、今後の経済指標のデータ次第では、金融引き締めペースが速まる可能性も示唆されました。金利の上昇はビットコインが買われる要因となるため、これを受けて直近の高値を更新。イーサリアムなど、ほぼ全ての主要仮想通貨も買われることとなりました。

仮にロシアのウクライナ侵攻がなければ、0.5%の利上げもあったことから、停戦交渉の進展期待が高まってきている今の相場は、ビットコインが買われやすい地合いになっているといえそうです。