ポイント

・2万ドル割れに下落も2万2000ドル台に回復
・シリコンバレー銀行破綻でUSDCの準備金に懸念
・米財務省・FRB・FDICが預金全額保証の共同声明
・50bp利上げ観測後退でBTCには追い風も、CPI控え上値も重そう

週末のBTC相場

週末のBTC相場は下に行って来いの展開。木曜日に2万2000ドル（約295万円）を割り込むと、金曜日には一時2万ドル（約270万円）割れまで下落したが、今朝方2万2000ドル台に反発している。

BTCはシルバーゲート銀行の清算方針を受け木曜日に2万2000ドルをクリアに割り込むと、しばらく2万1000ドル台半ばで下げ渋っていた。

ところが金曜日未明にかけて資金調達を発表したシリコンバレー銀行（SVB）株が暴落、BTCは2万ドルを割り込んだ。

スタートアップブームで急速に預金を増やした同行は、運用を国債やMBS（住宅ローン担保証券）に頼った。

しかし、急激な利上げで保有債券に含み損が発生。足元の資金流出でそうした含み損を実現せざるを得なくなった模様。こうした構造は大なり小なり米金融界に共通しており、他の地銀への連鎖が懸念された格好か。

金曜日に発表された米雇用統計は非農業部門雇用者数が＋31.1万人と予想22.5万人を上回った。しかし失業率が3.6％、平均時給が＋0.2％と予想を下回るMIXな内容だった。米利上げの悪影響により金融不安が広がる可能性が報じられる中、3月の50bp利上げの織り込みは3割台まで低下、BTCは底堅く推移した。

米株オープンからSVB株の取引は停止され、続いて同行は前日発表した増資による資金調達に失敗したと表明。FDIC（連邦預金保険公社）は同行を管理下に置くと発表し破綻が確定した。

利上げ加速観測の後退で21,000ドル近辺まで値を戻したが、サークル社がステーブルコインUSDCの準備金400億ドルのうちの33億ドルがSVBにあると公表。コインベースが一時USDCの取扱いを停止。USDC価格が一時80セント台に下落する中、BTCは再び2万ドルを割った。

しかし、日曜日未明にイエレン財務長官がCBSで同行を救済して株主を守ることはしないが、預金者は守るとコメントするとBTCは2万1000ドル台を回復。さらに今朝方、米財務省・FRB・FDICが共同声明で預金の全額保護を正式に表明したことで、BTCは2万2000ドル台を回復している。


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