ブータン王国というと、ヒマラヤ山脈にある山岳国家です。しかも幸福度が世界トップクラスの国として知られ、日本でも国王夫妻が訪問したことで一気に知名度が向上した国でもあります。

そんなブータン王国が、なんとビットコインのマイニングで一躍世界的に有名になりました。海外で報道されたことがきっかけになり、その報道によるとブータン王国は2017年からマイニング事業に参入していた?というのです。

それでは海外の報道から、ブータン王国のビットコインマイニングについて紹介しましょう。

ブータン王国はビットコインが5000ドルの頃からマイニングに参入

報道によると、ブータン王国のビットコインマイニング派2017年から始まっていたといいます。その根拠は「ビットコインが5000ドルの頃からやっている」というコメントです。ビットコインは現在3万ドル弱で推移していますが、2017年頃は5000ドル前後でした。その価格の頃からやっているとなると、2017年から?となるわけです。

5000ドルの頃からビットコインの採掘をしていてそのまま保有しているとすると、現在はその価値が6倍近くになっているのでブータン王国の利益は相当なものになると思います。

報道にクエスチョンマークがついている理由

すでにブータン王国のマイニングについては複数のメディアが報道していますが、いずれも報道に「?」(クエスチョンマーク)がついています。これには理由があります。

というのも、ブータン王国のマイニング事業は国民に知らされておらず、政府系の企業が秘密裏に行ってきたからです。世界トップクラスの幸福度とはいえ、ブータンは王国です。つまり民主主義の国ではありません。王様が国民のためを思う政治をしているからこそ幸福なのであって、国民の知らないところでさまざまな政策が進められることは普通にあります。

再生可能エネルギーが豊富な環境を利用

国民の知らないところで進められたとはいえ、ブータン王国のマイニングは世界的なお手本ともいえるものです。なぜなら、マイニングに使用する電力は再生可能エネルギーである水力でまかなわれているからです。

ヒマラヤ山脈は世界的に高い山が連なる、急峻な山々です。そこに立地する国だけあって急な斜面はたくさんあります。そこを流れる川には莫大な水力エネルギーがあるので、それを利用した電力でマイニングをすれば、ほとんど電気代ゼロでビットコインが手に入るわけです。しかも標高が高いので気温が低く、マイニングに用いる機器類の冷却コストも少なくて済みます。

こうした環境は、実はマイニングにとても適しています。ブータン王国がそこに目を付けるのも不思議なことではありません。持続可能なマイニングの仕組みを確立することでブータン王国の財政はより潤沢になり、さらに幸福度がアップしていくかもしれません。


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