市場動向
今週の仮想通貨市場の時価総額は、週前半から中盤にかけて好材料が重なった上にビットコイン対ドル相場でテクニカル的に複数のトレンド転換の兆候(サマリー参照)が出たことで上昇基調を維持し、一時は3000億ドルの大台まで回復しました(第1図)。
今週の安値は、7/14の2463億ドルで、高値は7/18の3004億ドルとなっております。
また、今週は2週間ぶりに相場が上昇基調となり、ビットコインが年初来安値を記録した6/29から見ると、およそ24%回復しました(第2図)。
今週の注目ニュースとしては、①Coinbase(コインベース)が新たに5銘柄の仮想通貨上場予定を発表、②同じくコインベースによるIT/金融系企業3社買収に認可が下り、連邦政府認定の証券取引所へ一歩近づいたという報道、③米大手運用会社のBlackrock(ブラックロック)が「仮想通貨に興味を示した」という趣旨の報道、④米連邦準備制度理事会ジェローム・パウエル議長による仮想通貨に対するネガティブ発言などがあります。
コインベース5通貨の新規上場予定
7/14に米大手仮想通貨取引のコインベースがCardano(ADA)、Basic Attention Token(BAT)、Stellar(XLM)、Zcash(ZEC)、0x(ZRX)の新規上場を視野に入れていることが同社のブログで発表されました。
コインベースは先月12日、Ethereum Classic(ETC)の上場を発表し、ほとんどの仮想通貨相場が下落基調の中、ETCの相場を押し上げました。
今回の新規上場予定の発表後でも、上記の5通貨では比較的顕著な相場の上昇が確認されました。
しかし、今回の上場予定発表では、具体的な上場の日程は盛り込まれておらず、あくまで上場審査を開始したという内容に留まっています。
これに便乗したかは定かではないですが、米取引所のKraken(クラーケン)がTwitterで1600以上の仮想通貨銘柄の上場を審査中と、コインベースを若干揶揄する投稿をしました。
コインベースが認可取引所へ一歩前進か
7/17には、同じくコインベースにアメリカでブローカーディーラのライセンスを持つIT/金融系企業3社(キーストーン・キャピタル、ヴェノヴェート・マーケットプレース、デジタルウェルス)の買収の認可が米証券取引委員会(SEC)と金融業規制機構(FINRA)より下りたことがBloombergより報じられ、同社が米国規制当局認可の仮想通貨取引所になることが示唆されました。
仮想通貨取引所が米国でSECの認可を取得すると、ICOで発行された証券である疑いのあるトークンの取り扱いが正式に可能になります。
しかし、翌18日には、SECは同買収案件の審査に関与していなかった上に、買収にはSECの認可さえ必要ではないと上記の報道が誤報であったことをBloombergが発表しました。
いずれにせよ、コインベースが上記3社の買収を試みていることに誤りはないようで、同取引所が米規制当局に認可された仮想通貨取引所となる可能性があり、ポジティブ材料として注目されます。
<本記事ご協力>
ビットコインなどの仮想通貨をまとめたメディア『FinAlt』が提供