仮想通貨ビットコイン(BTC)と、テザー(USDT)の価格に異変が起こっている。

まず、この一週間で法定通貨を扱えない仮想通貨取引所でのビットコイン価格が上昇している。

特にテザーの発行元と深い関係にある仮想通貨取引所ビットフィネックスにおけるビットコイン価格のプレミアム上昇が顕著で、仮想通貨取引所BitMEXのリサーチによると12日は一時2%まで乖離したという。

The Bitcoin price premium on Bitfinex continues to increase compared to other exchanges. The premium is now almost 1.75% pic.twitter.com/Zd7IZ3Br9y

— BitMEX Research (@BitMEXResearch) 2018年10月12日

同時期に、米ドルと1:1の準備金に担保され、価格変動があまりないはずの「ステーブルコイン」であるテザーの価格が下落している。そしてテザー価格が1ドルから下落し0.98ドルになると2%のプレミアムがのることになる。

 

 

情報サイトCCNが仮想通貨アナリストのアレックス・クルーガー氏に取材した内容によると、テザー価格の下落の原因は以下の三つの原因によるところが大きいようだ。

1.米規制当局に認可をうけ、準備金監査の仕組みがしっかりしている米ドル建てステーブルコイン(ジェミナイドルやPAX)への逃避が起きている

2.テザー売り、その他の仮想通貨買いが起きている

3.ノーブル銀行破綻後、テザーの米ドル準備金の預託先に関する不透明性

特に3については懸念が大きく、現状テザーをドルに換金した場合、1ドルで払い戻しされるかどうかも不明だ。

さらにクルーガー氏によると「テザー社はドル払い戻しの際ユーザーから受け取ったUSDTを破壊せず、流通からひっこめとっておく。つまり流通しているテザーのみが準備金で担保されている状態だ。これは問題を孕んでいる。」

まだまだ時限爆弾を抱えていそうな仮想通貨テザー。

これに加え規制当局や競合他社によるテザー潰しを背景に、テザーからの逃避が起こっているのかもしれない。

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