2日よりビットコインキャッシュ(BCH)の対ドル相場は大幅な上昇を記録しています。2日以前の相場は比較的小さな値幅でジリ安相場となっていたため、市場では大きなサプライズとなっています。

急伸の背景には、複数の仮想通貨取引所が日本時間16日午前2:00に予定されているビットコインキャッシュのハードフォーク(HF)への対応策を発表したことが材料としてあり、投資家の不安軽減やハードフォークに伴う経済的インセンティブが働いていると考えられます。

2日にはマルタのバイナンスが、そして4日には米国のコインベースがそれぞれ16日の午前0:00と1:00にBCHの入出金を一時停止し、ネットワークが分岐した際は、その新たなネットワーク上の通貨にもアクセスできるよう対応すると発表しました。

サービス再開の具体的なタイムラインは明示されていないものの、分裂の可能性が指摘されるBCHの取引を今後もサポートしていくという姿勢は、投資家の不安感を幾分軽減したかと考えられます。

上記2社に共通して言えることは、仮にネットワークが分裂し新たな仮想通貨が生まれたとしても、ユーザーがそれぞれ現在保有するBCHと同量の新通貨を手に入れるよう対応すると明示したことです(ただし、新通貨の取引ができるようになるには、各社の上場に関する審査基準を満たしてからとなります)。

つまり、単純にいうと、「何もしなくても資産が勝手に増えるかも」ということになります。

もちろん、分裂後の新通貨が取引所に上場したからといって、必ずしもそれが現在のBCHのように「1BCH=600ドル相当」といった価値がつくわけではありません。

しかし、これまでもメジャーな仮想通貨の新規上場直後には、その通貨の価格が急上昇したケースがいくつも確認されています。

こういった大手仮想通貨取引所によるハードフォークの際の潜在的分裂の可能性への対応方針発表と経済的インセンティブが重なり、2日からBCHの価格を押し上げていると分析できます。

一方で、ビットコインキャッシュネットワークが分裂することで懸念されることもあります。

 

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