JPモルガンのアナリストは、高まる地政学的緊張と11月に迫った米大統領選挙を受け、投資家が安全資産として金とビットコインに注目していると分析しています。そして、この動きを「価値低下 (Debasement)トレード」と呼んでいます。
「Debasementトレード」は、2022年以降の地政学的リスクの高まり、インフレ懸念の継続、主要国の巨額の財政赤字、そして一部新興国における法定通貨への信頼低下といった複数の要因によって引き起こされる、金需要の急増を指すとしています。
JPモルガンは、シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME) におけるビットコイン先物への買い越し増加は、機関投資家が金とビットコインを同様の資産と見なしている可能性を示唆していると分析。さらに、9月にビットコインETFへの資金流入が再開されたことは個人投資家も金とビットコインを同様に見ている可能性を示唆しているとしています。
また、共和党のドナルド・トランプ氏が大統領選に勝利した場合、「Debasementトレード」はさらに顕著になる可能性があると指摘しています。
トランプ氏は関税政策によって地政学的緊張を高める可能性があり、また財政政策によって「債務価値の低下」を招く可能性があります。これらの要因が組み合わさり「Debasementトレード」を後押しすると予想されています。
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