2025年1月18日午前11時、ドナルド・トランプ氏は自身が手掛けるSNS「Truth Social」にて公式ミームコイン「$TRUMP」の発行を発表しました。$TRUMPは1日足らずで時価総額で9000億円以上を記録。次期米国大統領による今回の行いは、史上かつてない事例となっており業界に激震が走っています。
- ミームコインとは
- インターネット上の風刺やジョークをモチーフとする仮想通貨の一種。特定のテーマやキャラクターに関連して作られることが多く、しばしばエンターテインメント性やコミュニティ活動を中心にした特徴を持っている。
トランプ氏が暗殺未遂事件後に発した「FIGHT FIGHT FIGHT」という言葉をコンセプトにデザインされた$TRUMPは、最大供給量として10億枚、初期流通量として2億枚が設定されています。
注目すべきは最大供給量の8割にあたる通貨がトランプ氏の関連会社によって保有される点です。通常、明確なユーティリティ(使用用途)を持たないミームコインでは、その100%が市場に開放されるケースが多いなか、$TRUMPの保有構造は非常に強い中央集権的な設計となっています。
売り圧への懸念を回避するため、トランプ氏の関連会社に配布される8割の部分は徐々に開放される仕組みとなっており、通貨の発行から3ヶ月後からアンロックされ3年間ですべての通貨が市場に流通する仕組みとなっています。
発表後、価格は驚愕の「35倍」に
一国のリーダーが仮想通貨を発行する異例事態となった$TRUMPですが、さらに大きな話題を呼んだのがその値動きと驚異的な市場拡大速度です。
日本時間2025年1月18日午前11時、トランプ氏は自身のSNS「Truth Social」にてミームコイン「$TRUMP」の発行を発表しました。その約40分後、同氏はXで同様の発表を行いました。
Xでの発表時点で 1 $TRUMPは0.95 ドルだったものの、そのわずか30分後に価格は3.7倍となったのです。しかし、この値動きは序章に過ぎませんでした。
「大統領によるミームコインの発行」という異例事態であったことや、SNSアカウントのハッキングによる偽サイトへの誘導が仮想通貨市場で頻発している点などから、今回も同様の懸念が投資家の間では広がっていたことが当時のXの状況から窺えました。
しかし「2つのSNSで同様のアナウンスが行われた点」や「一定時間経過後も訂正が行われない点」から$TRUMPへの市場の熱は徐々に高まっていきました。
$TRUMPはその後、押し目(買い場)を作らず値上がりを続け、記事執筆時点での最高値として1 $TRUMP = 34ドルを記録。トランプ氏によるXでの$TRUMPの発表後、10時間程で35倍の価格パフォーマンスとなりました。
この熱狂的な一連の動きで市場には様々なトレーダーが登場しました。
あるトレーダーは、$TRUMP発行が発表された約90秒後に109万ドル分(約1.7億円)の$TRUMPを購入。現在の利益は7500万ドル(約117億円)以上に及んでいます。
Turned $1.1M into $70M in just 4 hours—incredible!
This trader has sold 1.35M $TRUMP for $3.65M, and still holds 4.62M $TRUMP($67.5M), bringing his total profit to over $70M!https://t.co/m1k6zmKgLA pic.twitter.com/U3IeU23PER
— Lookonchain (@lookonchain) January 18, 2025
また、449万 $TRUMPを約6億円で売却したものの、ピーク時で売却していれば約237億円の収益が得られたトレーダーの事例も報告されています。これらはすべて1日未満で起こった出来事であり、今回の$TRUMP発行が異様な注目を集めていることがこれらの事例から窺えます。
This guy must be kicking himself right now!
He sold 4.49M $TRUMP for $3.86M and now has only 30,000 $TRUMP($393K) left.
The 4.49M $TRUMP he sold was worth over $67M at the peak!
He could have made over $60M, but instead, he’s walking away with less than $3M.… pic.twitter.com/IxURP0FbLj
— Lookonchain (@lookonchain) January 18, 2025
1月20日に第47代米国大統領に就任するトランプ氏はこれまで、
- 米政府が保有する198,109 BTC(約3.2兆円)の売却停止表明
- 戦略的ビットコイン準備金の創設表明
- DeFi(分散型金融)プロジェクト「World Liberty Financial」の支援
- AI・仮想通貨責任者の任命
などの取り組みを実施してきており、仮想通貨に否定的だったバイデン氏とは対照にトランプ氏は仮想通貨に親和的な人物として知られています。
海外メディアによると、1月20日(現地時間)の大統領就任日に業界内で不評とされている会計基準「SAB 121」等への対処や米国ファーストの仮想通貨準備金の検討などに関する発表などがトランプ氏から行われると報じられています。
米国が仮想通貨業界への明確な強気姿勢や規制整備への取り組みを進めた場合、他国もその動きに追随する可能性があります。
上記のような状況のなか、今回のトランプ氏によるミームコインの発行は業界に大きな影響を与えうる歴史的な出来事だったといえます。引き続きトランプ氏や米国政府の動向に注目が集まります。
The post 業界に激震|トランプ氏の仮想通貨「TRUMP」とは?100億円以上を数時間で稼ぐ人物も appeared first on CRYPTO TIMES