
ビットコイン(BTC)価格が、市場の強い期待感の中でついに心理的な節目である10万ドルの大台に復帰しました。この1ヶ月で30%以上の上昇を見せており、その背景には複合的な要因が指摘されています。
専門家は短期的な市場の動きだけでなく、より大きな構造変化として次なる高騰の推進力に「国家」規模の買いという新たな動きが現実味を帯びてきていると指摘しています。
国家によるビットコイン採用の現状
Bitcoin Inc.のCEOであるデビッド・ベイリー氏は国家によるビットコイン採用の動きが加速している現状を明らかにしました。ベイリー氏によると、ビットコイン採用の動きはいくつかのフェーズに分かれて進行しているといいます。
ベイリー氏によると、ビットコインマイニングとソブリン・ビットコインマイニングは主流になったと言える転換点を迎えており約50カ国がこれを行っていると説明。ここでいうソブリン・ビットコインマイニングとは、国が官民連携の形でビットコインマイナーと提携し、国内の余剰電力を活用してビットコインをマイニングし、収益を分配するモデルを指します。
ベイリー氏によると、発展途上国では電力インフラが十分でなく政府支出によって建設された大規模発電所に余剰電力がある場合、ビットコインマイナーと提携してその電力を売却することは彼らにとって自由なお金になりうるとしています。
マイニングから一歩進んでビットコインを実際に購入し、保有する国も現れ始めています。
これについてベイリー氏は「現在、さまざまな国がビットコインを取得・購入しており、公表している国もあればそうでない国もあります。年末までにはかなりの数の主権国家が市場で入札することになると思います」とコメント。これは中央銀行による買い付けを意味するとは限らないとしつつも、事実上、政府の資金、国家の資金がすでにかなりの規模でビットコイン市場に流入している現状を分析しました。
ビットコインは世界の準備資産に?
ベイリー氏はビットコインが世界の準備資産になるという見通しについて「多くの人が考えているよりもずっと早くそれが実現するでしょう」と力強く語りました。この背景にはビットコインの持つ非政治性や既存の金融システムへの挑戦という側面があると指摘します。
ただし、現時点では多くの国がビットコインを世界の準備資産になるとは考えておらず、経済的な機会として捉えている段階だと同氏は分析しています。
ほとんどの国は純粋に経済的なビジネスチャンスとして見ているものの、より多くの国が関与するようになるにつれて国家安全保障の要素がますます強くなるとの見通しを示しました。
企業によるビットコイン保有戦略の拡大
国家だけでなく企業によるビットコインのバランスシートへの計上、いわゆる「*マイクロストラテジー戦略」も市場の大きな推進力となっています。*ストラテジー(旧マイクロストラテジー)社は企業としてビットコインを継続的に購入し続けており、世界最大規模のビットコイン保有企業として知られている
ストラテジー社が先駆的に行ったこの戦略は、多くの企業に模倣されているといいます。ベイリー氏によるとその数は100社を超え、200社に迫る勢いだといいます。また、年末までにはさまざまな規模の企業がこの戦略を実行する企業がさらに増加すると同氏は予想しています。
企業によるビットコイン保有戦略についてベイリー氏はその有効性を強調します。ストラテジー社を筆頭にこの戦略が企業価値を高め、さらに拡大すればビットコイン価格は大きく上昇すると予測しました。
最近ではソフトバンクグループが約30億ドル規模とされるビットコイン関連の大型ファンド計画に参画する可能性が報じられています。
ビットコイン市場は参加者層を拡大し続けており、10万ドル達成という節目を経た今、国家規模にも及ぶ大きな買い需要が今後の市場動向や国際金融におけるビットコインの位置づけに対し非常に大きな影響力を持つ可能性が予想されます。
記事ソース:The Block
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