暗号資産イーサリアム(ETH)が日本時間8月23日午前6時頃、2021年11月10日に記録した*4,868ドルの史上最高値(*Binance参照)を約4年ぶりに更新しました。今回の価格更新の背景には米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測の高まりと機関投資家の暗号資産市場への資金流入があると予想されます。
利下げ期待が市場全体を活性化
今回の最高値更新の背景にはFRBの金融政策転換への期待があります。ジャクソンホール会合でのパウエル議長の発言を受けて、9月の利下げがほぼ確実視される中、リスク資産への資金シフトが加速しました。なかでも、ETHは過去1週間で約15%上昇し、ついに4年間破られなかった最高価格の壁を突破しました。
技術面においても、イーサリアムのエコシステムは着実に成長を続けています。分散型金融(DeFi)プロトコルの総預かり資産(TVL)は910億ドルを超え、2021年のピーク時の水準に迫る勢いとなっています。
機関投資家の本格参入が新たな局面へ
今回の相場において、2021年と大きく異なるものにしているのが機関投資家の存在感です。昨今、イーサリアムETFはビットコインETFを超える資金流入となっています。8月14日夜にPPIが発表されたあとは数日間イーサリアムのETFでも資金流出が見られましたが、8月21日時点では再び資金流入が流出額を上回り、機関投資家たちがイーサリアムETFを購入している動きが見られます。
また、企業の財務戦略としての暗号資産保有も増加傾向にあります。特にイーサリアム版Strategy(旧MicroStrategy)として賑わせているBitmineは約150万 ETHを保有。さらに、SharpLink社もすでに約74万ETH を保有し、取得したETHをステーキングに回し累計約1,326ETHの報酬を得るなど今後も一部の企業においてのETHの企業財務戦略も考えられそうです。
今後の展望と懸念材料、暗号資産市場の成熟を示す節目に
市場ではETHの次なるターゲットとして5,000ドルの大台が意識され始めています。テクニカル分析では4,878ドルの前回高値を明確に上抜けたことで上昇トレンドが確認されたとの見方も強い一方で、懸念材料も存在します。
今回、9月の利下げ期待により、市場に資金が流入はしたものの、利下げはまだ確実ではありません。そのため、マクロ経済環境の変化にも注意が必要です。利下げ期待で上昇している相場は実際の利下げ後に『材料出尽くし』となるリスクも存在しています。
とはいえ、ETHの史上最高値更新は暗号資産市場が2022年のFTX破綻などの危機を乗り越え、新たな成長段階に入ったことを象徴する出来事となりました、時価総額は5,900億ドルに迫りビットコインに次ぐ第2位の地位を不動のものとしています。今後のイーサリアムの技術的進歩と値動きの両方に期待が集まります。
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