ビットコインなどの仮想通貨より安定した価値の提供を目指すステーブルコインの取引高が急激に増加していると調査会社のDiarが10日公表した。ステーブルコインの代表格であるテザーが信用問題で揺れる中、新興のステーブルコインの勢いが増しているようだ。
Diarによると、11月のステーブルコインのオンチェーンでの取引高は、9月と比べて1032%増加。内訳を見てみると、パクソス(PAX)の増加幅が大きく、仮想通貨取引所コインベースと決済企業サークルのUSDCの倍を記録したという。
最近、ステーブルコインを上場させる仮想通貨取引所の数が増加している。5日に仮想通貨取引所ビットフィネックス(Bitfinex)が新たなに主要ステーブルコイン5種の取引を開始。先月はバイナンスが、「テザー(USDT)市場」とされていた区分を複数のステーブルコイン市場と統合し、「ステーブルコインマーケット( StablecoinMarket (USD))」に改称すると発表した。
また5日、中国の最大級の「クジラ(仮想通貨の大口投資家)」と言われる李笑来(リ・シャオライ)氏が、中国の巨額ファンドでステーブルコイン関連のプロジェクトを率いることが明らかになった。
下がり続けるテザーのドミナンス
一方、The Blockによると、テザーのドミナンスは3年ぶりに低い水準まで低下した。
記事によると、ステーブルコイン 市場におけるテザーのドミナンス(占有率)は今週、73%以下まで低下。3ヵ月前は、約96%だった。新興ステーブルコインの台頭に加えて、米ドルと連動するとされるステーブルコインのテザーは、本当に十分な米ドル資金を持っているのか信用問題に直面している。
(記事提供:コインテレグラフ日本版)
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