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IBMと金融大手12社が『we.trade』で挑戦する金融貿易の革命とは

2019/03/20 03:00
Coin7

IBMと金融大手12社が『we.trade』で挑戦する金融貿の革命とは

言うまでもなく貿易のマーケット規模はとてつもなく大きいですが、貿易は物流分野だけではありません。金融商品の貿易も規模は大きく、ポテンシャルも秘めています。

ところが、金融商品の貿易は旧態依然としたシステムを長年使っていて、長らくイノベーションが起きていない分野なのです。

そんな領域にIBMと世界の金融大手が組んで設立した『we.trade(ウィートレード)』がブロックチェーン技術で挑もうとしています。

金融貿易が長年抱えている課題とはなんなのか、we.tradeはその課題をどのようにクリアしようとしているのか、解説していきます。

数十年間、主要な金融貿易商品を開発できない銀行

we.tradeの課題

we.tradeのホームページのトップには「金融取引は市場経済の中心ですが多くの銀行は数十年もの間、貿易協定の重要な要素である金融商品を開発していません」と書かれています。

国際間の金融商品がいかにレガシーなシステムなのかを課題として捉えていることがわかります。

新しい金融貿易商品が開発されない背景には、資本へのアクセス、取引先リスク、そして支払い速度が障壁になっていることがあります。

金融貿易を実施するには多くの国や企業をまたいだオペレーションが必要になるため、手続きの面やコストの面でフレキシブルな対応が難しい現実があるのです。

この問題がクリアできれば、金融貿易全体の流通が活性化して世界の経済に大きな貢献ができることは明確ですが、その難易度の高さからこれまで決定的なソリューションが生まれていませんでした。

IBMと欧州主要12銀行によるネットワーク

we.tradeの銀行ネットワーク

we.tradeは長年課題とされながらも、イノベーションが起きなかった金融貿易をブロックチェーンによって変革しようとしています。

強力で信頼できるネットワークを構築し、IBMのブロックチェーンノウハウを駆使してシームレスな取引の実現を目指しています。

we.tradeはコンソーシアム型ブロックチェーンを採用しています。コンソーシアムとは、信頼できる組織のみが参加できるブロックチェーンネットワークです。

ビットコインはユーザーが誰でもネットワークに参加できるパブリック型です。パブリックの利点は誰でもマイニングできる透明性や拡張性にあります。しかし誰でも参加できるゆえにマイニングのハッシュパワーの競争が激化して、ネットワークを維持するために大量のエネルギーが必要だというデメリットもあります。

コンソーシアム型は誰でも参加できるわけではありませんが、信頼のおける限られた参加者だけがネットワークの監視をするため低コストで運用できるメリットがあります。

we.tradeはコンソーシアムに欧州の主要12銀行を参加させることでネットワークを構築します。

参加するのはCaixaBank, Deutsche Bank, Erste Group, HSBC, KBC, Natixis, Nordea, Rabobank, Santander, Société Générale, UBS and UniCreditです。

シームレスな金融貿易システム

we.tradeのシステム

金融貿易において、銀行は伝統的に仲介業者の役割を担っていました。事業をスケールするために、金融商品をデジタル化して国際的に売買できるようにする選択肢は昔からありましたが、システムの複雑化、コストの増大、データへのアクセシビリティなどが問題で実用化できていませんでした。

これらの問題をIBMの持つブロックチェーンのノウハウで効率化するのがwe.tradeです。

KYCプロセスを国際的に統一

国際間金融取引の障壁のひとつはKYC(本人認証)のプロセスが国ごと、企業ごとに違うことでした。バラバラな規格のKYCでは、シームレスな取引はできません。

we.tradeではKYCのプロセスを国際的な基準に統一しているため、コンソーシアムに参加している銀行同士の取引でもKYCをやり直す必要が無くなります。

スマートコントラクトによる契約リスクの低下

もうひとつ、国際間の金融取引の障壁となっていたのは契約を執行する時間と手間です。契約書を作成してから、双方が人の目で確認して、合意するまでに多くの時間を要してしまいます。国際的な金融商品は時間と共に価値が変動するので、契約に時間と手間がかかってしまっては価値を保証することが難しいのです。

この問題を解決するのがブロックチェーンのスマートコントラクトです。ブロックチェーンに契約書を記録させ、双方の契約成立の条件も記録しておけば、あとはブロックチェーンが自動で契約を成立させてくれます。

BPUによる国際貿易の簡素化

we.tradeは国際貿易を簡素化し、気軽に多くの人が世界の金融商品を売買できることを目指しています。

そのために重要になるのが、銀行支払い確約書(Bank Payment Undertaking/BPU)です。BPUによって、カウンターパーティー(取引相手)の支払い不履行によるリスクを銀行に移転することができます。

カウンターパーティーのリスクは国際貿易にはつきものですが、we.tradeのシステム効率化によってこのリスクはユーザーではなく銀行が請け負ってくれることになります。

リスクと敷居の高いイメージとはかけ離れた気軽な国際貿易が可能となるのです。

we.tradeとリップルの違い

we.tradeとリップルの違い

「ブロックチェーンによる国際間の金融取引」と聞くと、多くの人がリップルを思い浮かべると思います。どのような違いがあるのでしょうか。

課題にしているものはwe.tradeもリップルも似ていますが、課題解決のためのアプローチの方法が少し違います。

仮想通貨をブリッジするか否か

リップルは国際送金するために、仮想通貨XRPを利用します。既存のシステムでは、国際送金をするためには手数料の高い仲介の金融機関を利用しないといけませんでした。リップルのシステムでは、仲介を使う代わりに一時的に通貨をXRPにブリッジ(変換)して国際送金を行います。

仮想通貨は送金の手数料も少なく、送金速度も早いため効率良く国際送金ができますよ、という仕組みです。

一方で、we.tradeはコンソーシアムに参加している金融機関のデータそのものがブロックチェーンに記載されています。そのため、仲介の金融機関を利用せずともシームレスな取引ができるのです。

提携している金融機関

we.tradeは前述の通り欧州の12の銀行と提携しています。リップルはリップルで独自に金融機関とのネットワークを構築しているので、提携先の違いは注目しておきましょう。

将来的にwe.tradeかリップルどちらかのシステムを利用することを検討するならば、提携している金融機関のリストを見てから、自身のニーズと合っているかどうかを比較するべきです。

Hyperledger FabricにおけるIBMの優位性

Hyperledger Fabric(ハイパーレジャーファブリック)とは、IT大手が推進しているコンソーシアム型ブロックチェーン技術です。IBMもここに加わっていて、we.tradeの技術にもハイパーレジャーファブリックが採用されています。

IBMはwe.trade以外にもハイパーレジャーファブリックを利用したコンソーシアムを様々な分野で商業化しています。

ハイパーレジャーファブリックにはインテルなども参加していますが、IBMはwe.tradeのようなインパクトの大きいソリューションの事例を連発しているため、ブロックチェーン業界の中でもIBMの優位性が増すことになるでしょう。

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