ニューヨーク州最高裁判所のJoel Cohen判事がTether社とBitfinexに対し、USDTの準備金の移動を原則的に禁じる命令を16日に出した。
今回の裁判所命令の具体的な内容は次の通りとなっている。
• Tether社は、通常の業務の流れを除き、Bitfinexまたは他の団体に資産を貸与することはできない。
• Tether社は、給与および通常の請負業者、コンサルタント、またはベンダーへの支払いを除き、準備金から役員、従業員、またはその他の個人へ資金を分配することはできない。
• BitfinexもTether社も、ニューヨーク州司法長官の当初の召喚状で求められている文書へのいかなる改変も許可されない。
• 差止命令は90日で期限切れになるが、ニューヨーク州司法長官の事務所はその2週間前に命令を延長するよう裁判所に請願が可能。
しかし現在最新の「差止命令の変更を承認する通知」では、Tether社は通常業務の一環としての準備金の投資は許可されている模様だ。
本来の差止命令に対して、Bitfinexは声明を公表。通常業務の継続を許可する裁判所命令を適切なものと評価した上で、ニューヨーク州司法長官の調査については「悪意」のある行動と批判し、次のように述べていた。
我々は、ニューヨーク州司法長官のいかなる行動に対しても積極的に防衛する。これまでと同様に、我々の顧客、ビジネス、コミュニティをニューヨーク州司法長官の無益な主張から守ることに全力を尽くしていく。
しかし最新命令を受けたTether社は「この最新の動きは我々の勝利を象徴するものだ。」としている。なお、BitfinexとTether社は通常業務を継続させることができ、本来の差止命令は司法長官から延長要求が無ければ、90日後に無効となるという。
一旦は、資金の凍結とはいえ業務に支障をきたさない格好となっているが、延長も可能な命令であり、この状況が長引く可能性も考えられる。また、これまでのBitfinexへの融資など、資金の移動に関する書類も裁判所によって引き渡しが求められている。引き続きこの案件に関して注目が必要だ。
(記事提供:コインポスト)
CoinPost(コインポスト)は、日本最大級の仮想通貨・ブロックチェーン総合情報メディアサイトです。国内外の情報を迅速に捉え、考察も含めたオリジナル記事を配信しています。
<SI>