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米Bittrex、同国ユーザー対象にアルトコイン30銘柄を取引停止【フィスコ・アルトコインニュース】

2019/06/10 13:45
FISCO

米大手仮想通貨取引所Bittrexが、6月21日から米国ユーザーを対象に、計30銘柄の取引ペアを停止することが公式ブログで発表された。米国における仮想通貨の「有価証券」問題対する動きが再び見られる事例となった。

200銘柄以上の仮想通貨取引を提供する米国の大手取引所Bittrexは、ファクトムやQtumを含むアルトコイン30銘柄の取引を今月21日で停止することを発表した。21日以降は対象銘柄が米国のユーザーのみ取引不可能となる。

なお21日以降もBittrexが対象銘柄をサポートしている限り、同取引所内で保有を継続することができ、引き出しをすることもできる。また、米国以外のユーザーは、引き続き対象の取引ペアにアクセス可能だ。

ファクトム(FCT)とは、改竄が不可能なデータをブロックチェーン上で実現すべく、ビットコイン・ブロックチェーンを利用した通貨。「貸付記録」、「証券」、「保険」、「医療」などあらゆる書面や記録を分散して管理することで、追跡や監査が可能となっている。日本ではコインチェック取り扱っている銘柄の1つだ。

米国では現在、SNS大手Kik社の社長Ted Livingston氏が米SEC(証券取引委員会)に対して訴訟を起こす時点まで有価証券問題が発展。現在米国の仮想通貨規制法はトークンの位置付けなど、明確化に向けた動きが難航している。

今回のBittrexからの発表は、同じくアメリカに拠点を置く大手仮想通貨取引所であるPoloniexと似たような動きだ。同社は先月17日、米国ユーザーを対象に計9銘柄の取引ペアの取り扱いを停止することを発表していた。取引所側は有価証券に該当する可能性を取り扱い停止の要因として挙げていた。

今後規制当局から有価証券として見られる懸念が高い場合、時価総額や出来高が多い通貨でも取り扱いペアから消えていく可能性は十分想定できる。特に米SECからの有価証券に関する規制が不明瞭な状態が続いている中でも、ICOや未登録証券に関する起訴などの取り締まりが行われる事例が見られている傾向はこの動きを促進させていると言えるだろう。

また、特筆すべきは米国の防衛省がデータベースのコントラクターとなった経緯を持つファクトム社の独自通貨が米国の有価証券に該当する可能性がある点だ。米政府機関が間接的に利用しているネットワークの通貨でも有価証券に該当するリスクがあることが規制の明確化がいかに必要である点を物語っている。

米国市場の重要性
米国の投資家心理や米政府が仮想通貨に対する見解が重要であることを裏付ける指標として以下のデータを利用できるだろう。仮想通貨情報サイトData Light社が主要な仮想通貨取引所を調査したところ、約25%が米国からのユーザーであったことが判明していた。

このような結果から、米国ユーザーのアクセスの禁止が対象銘柄に与える影響の大きさと、営利企業である大手取引所の苦渋の選択を読み取ることができる。つまり米規制当局の有価証券取り扱いに対する指摘を免れるか、より多くの出来高とそれに準ずる規制順守を行う、という2つの決断を迫られることとなる。

また現状このような動きは米国の取引所から見られているが、取り扱い銘柄の多さやニッチな銘柄の取り扱いを売りにしていた大手取引所も同様の道を辿る可能性もあるかもしれない。最終的に、仮想通貨市場で長く生き残り、最大のアクセス数を誇る米国の規制に準拠することが、営利企業である取引所に残された道なのかもしれない。

そういった状況が今後実現してきた場合、既存のプロジェクトも生き残るためにトークン設計の見直しを迫られ、より多くのアルト通貨が淘汰されるフェーズに来ると考えられるだろう。

(記事提供:コインポスト)
CoinPost(コインポスト)は、日本最大級の仮想通貨・ブロックチェーン総合情報メディアサイトです。国内外の情報を迅速に捉え、考察も含めたオリジナル記事を配信しています。

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配信元: FISCO 株・企業報

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