2日に配信した「2018年【業績最強株】候補リスト」に続き、今年活躍が期待される銘柄を探ってみたい。本特集では、直近四半期に過去最高益を更新し、かつ通期見通しも最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄に注目してみた。 下表では、時価総額200億円以上の銘柄を対象に、本決算月にかかわらず、直近の3ヵ月決算において経常利益が全四半期ベースで過去最高益を10%以上、上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益を10%以上、上回る見通しを示している35社を選び出し、直近四半期の過去最高益の上振れ率が大きい順に記した。 上振れ率トップのセレス <3696> は主力のスマートフォン向けポイントサイトの会員数が増加し広告収入が伸びたうえ、投資育成事業で未公開株式の売却益が発生し、7-9月期(第3四半期)は四半期ベースの過去最高を4.8倍も上回る8億円に急拡大した。今期から仮想通貨事業に参入した同社は、12月のビットコイン急騰で人気に火がついた経緯がある。ビットコイン下落の場面でも株価は頑強な動きを見せており、2018年も好業績の仮想通貨関連銘柄として注目されそうだ。 2位のJCRファーマ <4552> は主力の成長ホルモン製剤の販売拡大や契約金収入の増加し、四半期ベースの最高益を31四半期ぶりに更新した。同社は昨年9月に筆頭株主となった医薬品卸大手メディパルホールディングス <7459> と米国に合弁会社を今年1月に設立する予定だ。米国を拠点に独自の血液脳関門通過技術を適用した開発品の海外展開を進める構えで商機拡大が期待される。3位のアウトソーシング <2427> は技術系派遣や請負が好調だったうえ、1月に買収したドイツ人材大手の業績上積みなどで海外事業の収益も大きく膨らんだ。人手不足の深刻化を追い風に、技術者派遣を主力とする同社や33位のアビスト <6087> はさらなる飛躍に期待がかかる。 選出リストでは、JCRファーマ、アウトソーシングをはじめ、決算発表後に上場来高値を更新した銘柄が多い。5位に入ったSHIFT <3697> [東証M]の6-8月期(第4四半期)は大手企業との取引が本格化し始めた金融・流通向けソフトウエアテストの受注拡大が業績を牽引した。ソフトウエアテストの潜在市場は大きく、同社は高度な技術をもつ人材への投資を続けながら大手企業の開拓を進める方針だ。新たな目標に定めた2020年代に売上高300憶円(18年8月期計画は120億円)の達成に向けて成長を加速するとしている。 8位のダイフク <6383> は半導体・液晶関連向け搬送装置や物流センター向け自動化システムの受注が大きく伸び、10年ぶりに四半期最高益を更新した。あわせて今期2度目となる通期計画と配当の増額修正を行い、株価は11月13日に上場来高値6520円をつけた。その後、公募増資と自己株処分の発表が嫌気され調整する場面があったが、成長期待は強く再び最高値更新をうかがう展開に切り返している。27位の安川電機 <6506> も自動化需要の拡大を追い風に、18年2月期は決算期変更に伴う11ヵ月の変則決算ながら最高益を更新する見通しだ。省人化投資が加速する中国を中心にサーボモーターや産業用ロボットの受注が急増している。 12位のオープンハウス <3288> は主力の戸建て住宅を中心に業績拡大トレンドが続く。中期計画では2020年9月期に売上高5000億円(17年9月期実績は3046億円)、経常利益600億円(同361億円)の目標を掲げる。配当性向も段階的に引き上げる計画で株主還元面でも投資魅力が大きい。直近の株価急騰で予想PERは11.3倍まで上昇したが割安感は残っており、さらなる上値追いが期待される。 ┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ コード 銘柄名 上振れ率 直近四半期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 <3696> セレス 376 800 168 80.1 895 497 <4552> JCRファ 51.3 1841 1217 39.3 3530 2534 <2427> アウトソシン 50.5 3095 2057 78.4 8900 4988 <3245> ディアライフ 47.1 1180 802 25.3 2500 1996 <3697> SHIFT 47.0 272 185 40.6 800 569 <7717> Vテク 40.9 2822 2003 81.3 9800 5406 <3678> メディアドゥ 39.3 312 224 46.6 962 656 <6383> ダイフク 35.7 10412 7671 59.9 38000 23760 <9416> ビジョン 34.2 690 514 23.9 1608 1298 <6479> ミネベア 33.3 24790 18600 19.7 72000 60140 <6266> タツモ 33.1 667 501 36.7 1910 1397 <3288> オープンH 31.3 11887 9050 20.4 43500 36131 <5358> イソライト 29.9 998 768 39.0 2900 2086 <3073> DDHD 29.0 908 704 18.5 1700 1435 <3660> アイスタイル 28.7 632 491 14.7 1900 1657 <6071> IBJ 28.7 444 345 30.9 1448 1106 <2477> 手間いらず 27.3 163 128 25.5 600 478 <2317> システナ 27.2 1248 981 29.6 4416 3407 <3097> 物語コーポ 24.7 1104 885 21.1 3700 3056 <7747> 朝日インテク 24.1 4295 3460 11.2 12170 10941 <7780> メニコン 22.6 1793 1462 14.4 4616 4036 <3656> KLab 21.8 1582 1299 73.8 4900 2819 <2209> 井村屋G 21.0 974 805 11.0 1450 1306 <7956> ピジョン 19.2 5791 4858 13.0 18600 16462 <6088> シグマクシス 19.0 307 258 22.2 1000 818 <2491> Vコマース 18.5 582 491 15.9 1920 1656 <6506> 安川電 18.5 14889 12568 50.7 54000 35833 <3925> ダブスタ 17.5 168 143 32.1 539 408 <3179> シュッピン 16.0 414 357 28.7 1387 1078 <7715> 長野計器 14.6 897 783 33.3 2769 2077 <9514> エフオン 14.3 815 713 15.0 2650 2305 <3221> ヨシックス 12.6 510 453 25.8 1748 1389 <6087> アビスト 12.4 434 386 14.4 1707 1492 <6957> 芝浦電子 11.8 863 772 21.8 3000 2463 <9513> Jパワー 10.0 39074 35519 19.3 81000 67906 ※ 2016年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。 ★元日~3日、2018年「新春特集」を“24本”配信します。 →→ 「新春特集」の記事一覧をみる ※元日に配信した北浜流一郎など5氏の「お年玉企画」は、ぜひご覧ください。 株探ニュース