仮想通貨にはマスターノード銘柄と呼ばれるコインがあります。
ビットコインなどのPoW(プルーフ・オブ・ワーク)をコンセンサスアルゴリズムに持つ仮想通貨だと、マイニングで稼ぐにはかなり高額なハードウェア(ASICマイニングマシン)が必要になります。
マスターノード銘柄の場合は、一定枚数以上のコインを保有しさえすれば、安価なVPS(マスターノードのソフトウェアを動かすためのサーバーを借りられるサービス)でコインの報酬を受け取ることが出来るようになります。
この記事では、今注目のマスターノード銘柄の利益率を情報ソースと共に比較していきます。
仮想通貨DASHのマスターノードのROI(投資収益率)
さて、マスターノード銘柄と言えばまずはDASHでしょう。最初にマスターノードの仕組みを実装した仮想通貨として、仮想通貨の中でもとても有名なコインですね。
ただ、DASHの情報は至るところで見つかりますから、ここではさらっと要点だけ抑えるだけにします。
まず、DASHのマスターノードを建てるためには、1,000枚のDASHが必要になります。
DASHはすでに時価総額が16位とかなり高い方で、1枚あたりの価格は9月10日時点で約86ドルです。
以下では全て、1ドル107.4円で計算します。
1,000枚のDASHを集めるのに必要な額は923万5841円。つまり、DASHのマスターノードに参加するためには最低これだけのお金が必要という事になります(もちろん価格や為替レートは日々変動します)。
ほとんどの人にとってこれは現実的ではないでしょう。この後、もっと現実的な金額で始められるマスターノード銘柄を紹介します。
ちなみに、DASHの公式サイトに載っているこちらのページによれば、マスターノードの1日あたりの報酬額は現在14.77ドル。
VPSコストが月25ドルとすると(25ドルと記載されているサイトがいくつかありました)、1日あたりの利益は13.94ドル。つまり年間5088ドル(54万6324円)の利益が得られることになります。
この利益を得るために必要な投資額(1000DASHを買うのにかかる費用)が86,000ドルですので、年間ROI(投資利益率)は5.9%です。
仮想通貨AMBのマスターノードのROI(投資収益率)
DASHは初期投資額が費用に高く、ほとんどの人にとって選択肢に入らないでしょう。
ROIも安定して5.9%が入ってくるなら投資としては魅力的ですが、変動が激しく、今後何が起こるか分からない仮想通貨で5.9%というのはなんとも言えない数字です。
ということで、現在もっとも高いROIを得られるコインの1つで、価格が低いのでマスターノードを建てる敷居の低いAMBを紹介します。
AMBはAmbrosusというサプライチェーン管理プロジェクトに使われている仮想通貨です。
まず、AMBのマスターノードを建てるのに必要な枚数は1万枚(ゼータ)、3万枚(シグマ)、7万5000枚(オメガ)、そして最上位のアポロが最低25万枚です。
ゼータ、シグマ、オメガはデータの保存が仕事の「アトラス」というマスターノードです。それに対し、アポロはブロックの承認者(バリデーター)です。
アポロのみ、25万枚を超えてステークすることができ、枚数に応じて報酬も増える仕組みになっています。
それぞれの報酬額、ROI、マスターノード数などが分かりやすく載っているサイトはこちらです。
9月10日時点のROIを見てみます。このサイトのROIはVPSコストを考慮していないので、そのままでは比較できません。
VPSコストは月20ドルで計算します。そうすると、今の報酬額では最低グレードのゼータは赤字になるので候補に入りません。
結論だけ書くと、それぞれの利益とROIは以下になります。
- アポロ – 13万5674円 – 29.7%
- オメガ – 6万6677円 – 48.7%
- シグマ – 5048円 – 9.2%
注意が必要なのは、ブロックのバリデーターであるアポロは即座に報酬を得られますが、オメガやシグマはデータの保存が仕事なので、1年に渡って少しずつ報酬が解放されていく点です。年単位の長期間でマスターノードを建て続けると、このサイトで計算されている報酬額に近づいていきます。
AMBのブロックチェーンであるAMB-NETが、長期にわたって繁栄していくエコシステムになるかどうかが、マスターノードを検討する際に考えるべきポイントになるでしょう。
オメガのROIは非常に高く、今後企業がAMB-NETを使い始めれば面白いことになりそうです。
現在の価格は0.01676ドル(1.8円)。オメガは7万5000枚必要なので、およそ13万5000円で建てられます。最上位ノードであるアポロの25万枚なら45万円です。
仮想通貨VETのマスターノードのROI(投資収益率)
VETも、AMBと同じくサプライチェーン管理のプロジェクトです。VeChainという名前を聞いたことがある方も多いでしょう。
VETの場合、一般人が参加できるものは厳密にはマスターノードではありません。
VETのマスターノードは、原則VeChainのパートナー企業などしか建てることができず、数も101に限られています。
それでも、一般人でも一定枚数以上のVETをウォレットに入れてアクティベートすれば、自動的にVTHOというコインが配当のようにもらえるようになります。
もらえるVTHOの枚数やドル換算での金額、ROIなどはこちらのサイトで確認できます。
VeChainの一般枠ノードは、最低100万枚のVETが必要になります。100万枚のストレングス、500万枚のサンダー、1500万枚のミョルニルの3種類です。
報酬レートの良いXノードという仕組みもありますが、こちらは早期からの参加者に与えられた特権です。Xノードの権利をマーケットで売買することも出来ますが、ここでは通常のノードの報酬を見ていきましょう。
先ほども言いましたが、VETのノードは通常のマスターノードと異なり、VETの公式モバイルウォレットに必要最低枚数以上のVETを保有し続けるだけで自動的にVTHOがもらえます。そのため、VPS費用などは特に必要ありません。
それぞれのノードの年間利益額とROIは、
- ストレングス -1万3319円 – 3.06%
- サンダー – 7万2081円 – 3.33%
- ミョルニル – 23万3088円 3.6%
ROIは全て3%台と、今から参加するならあまり魅力的には見えません。
ストレングスで最低100万枚が必要になります。9月10日現在1VETの価格が0.003983ドルほどなので、日本円でおよそ42万7500円の初期投資が必要になります。
ちなみにXノードの権利を持った最上位のミョルニルでも、ROIは4.49%程度です。それを建てるには1,560万枚のVETが必要です(今のレートで約667万円)。
VPSでサーバーの設定や管理をする必要がないのは楽ですが、今の時点でROIは残念ながら低くなっています。
結論:ROI(投資収益率)が高いのはAMB
さて、今回の記事ではマスターノード銘柄のDASH、AMB、VETを比較しました。
結論としては、2019年9月現在でAMBのオメガが最もROIが高いマスターノードになっています。
今回紹介した仮想通貨はどれも、明確な目的を持つプロジェクトを支える存在です。特にAMBやVETはサプライチェーン管理を効率化し、食品などの産地や品質を保証するという面で、私たちの生活に直接関わってきます。今後も注目に値する仮想通貨になるでしょう。
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