日本通運が、大手総合コンサルティング企業のアクセンチュアやインテルの日本法人と協力し、ブロックチェーンを活用した輸送網の整備への取り組みを開始するとのことです。
最初は医薬品を対象とするプロジェクトに取り組み、偽造品の混入防止などにブロックチェーン技術を活用する予定とのことです。
データ改ざんを防止、商品情報の共有や追跡を可能に
初期段階では医薬品関連の輸送網を2021年中に構築することを目指しており、倉庫の整備などを含め最大1千億円の投資を行うとしています。
将来的には、一般家庭で消費される他商品の輸送網にも応用していく予定とのことです。
具体的には、適正な温度管理ができる倉庫やトラックの整備を進め、商品情報をデータ改ざんが極めて困難なブロックチェーン上に記録することで信頼性の高いデータの記録を作成し、原料や製品の輸出入から医療機関への納品までの過程をリアルタイムで追跡できる環境を整備するとのことです。
生産工場、保管倉庫、卸売業者、納品先それぞれのデータに輸送状況を紐付けてブロックチェーン上に記録することで、商品に関わる企業間での必要な情報の共有を可能にし、商品の品質維持や情報共有、物流管理の領域においても効率化が期待できます。
また、衣料品や輸送用の箱などには、各商品を識別するためのRFIDタグや、温度・位置情報を読み取るためのセンサーが取り付けられ、工場・製薬会社、倉庫、トラックなどは、専用機器によって自動的に情報を取得することが可能になります。
これによって人員・コストの削減も期待できると言います。
これらのセンサーはインテルが提供し、システムはアクセンチュアが提供するとのことです。
偽造薬の問題解決に期待かかる
物流・医療業界ではブロックチェーン技術の活用が進んでいます。
昨年6月にはIBM、KPMG、Merck、Walmartの4社が、アメリカの食品医薬品局(FDA)と協力して医薬品のサプライチェーンを管理するためのブロックチェーンネットワーク開発に取り組んでいます。
日経新聞によると、医薬品の流通量の1割が偽造薬とのことで、世界的に深刻な問題となっています。
医薬品の製品管理にブロックチェーン技術の活用が進むことで、これらの問題に有効な解決策になるとして大いに期待されています。
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