バハマやスウェーデンですでに中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)のテストが行われているように、フランス中央銀行もデジタル通貨の発行に向けて本腰を入れ始めたようです。
フランス中央銀行はCBDC発行に向けたテストプログラムを正式に発表しました。
デジタルユーロのユースケースについての実験
3月30日に発表された文書によると、フランス中央銀行はデジタルユーロの利用実験への参加企業を募っているとのことです。
今回はデジタルユーロの利用に関連するCBDCの精算、トークン化された金融資産の取引について実験を行うとのことです。
フランス中央銀行は、「革新的な素質」という主要なの選定基準に基づき、最大で10の個人または企業の参加者を選ぶ予定です。
公表された文書によると、公募期間は2020年5月15日までとされ、選定結果は7月10日に公表される予定とのことです。
今回行われるテストの対象はDBDCをベースとした銀行間取引、利益の承認、そして潜在的リスクの分析についての3つのモデルケースです。
3つのCBDCのユースケースのうち、フランス中央銀行が金融商品に対する決済、他の中央銀行のデジタル通貨に対する決済、としてデジタル資産に対する決済について説明しています。
フランス中央銀行は、今回の実験の中で通貨の創造については言及していません。
また、さらに大規模なプロジェクトを行う予定はないとしています。
「今回行うテストは、ユーロシステムについて幅広い議論を行い、CBDCを発行するかどうかを決断するためのものです。」
フランス中央銀行のCBDCプロジェクトは、2019年12月以来初ののCBDC関連の動きとなります。
2020年夏までにテスト開始か
昨年12月4日、フランス中央銀行のヴィルロワ・ド・ガロー総裁が、2020年の第一四半期までにデジタル通貨のテストを開始すると発表しています。
以前にもフランス中央銀行の最初の副総裁がブロックチェーンテクノロジーは、国際取引における多くの金融決済を促進することになると指摘しています。
また今年3月初旬に、フランスの規制当局は、EU圏内でのセキュリティトークンの持つ潜在的な利益についての検証を提案しています。
バハマ、スウェーデン、中国などに続いてフランスも本格的にCBDCの導入に向けて動き始めているようです。
今後もこのような動きが世界各国に拡大していくことが考えられます。
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