カテゴリー別にDefiのサービスを見ると、トレーディングはレンディングと並んで大きいTVLを抱える。トレーディングは、中央集権型取引所のCEXと分散型取引所のDEXに大別されるが、Defiの中心はDEXである。
CEXでは、(1)身分証や住所証明書の提出がKYCに必要、(2)顧客資産はCEXが管理する、(3)取引はCEXのオーダーブックで行う、(4)CEXが選択した複数の流動性プロバイダーが流動性を提供する、(5)Maker/Taker/Funding手数料が必要になる。一方、DEXでは、(1)KYC不要、(2)資産はユーザーが各ウオレットで管理する、(3)取引は個々のDEX、複数のDEXのアグリゲート、プールで行われる、(4)不特定多数の個人や機関投資家が流動性を提供する、(5)Maker手数料が不要である。
上位10のDEXの月間取引高は、7月の38億ドルから9月には304億ドルに増加した。7月時点ではDEXが取引所取引高全体に占める割合は2.2%に過ぎなかったが、9月には9.2%にまで上昇した。このように7~9月に急拡大した取引高であったが、10月にHarvest.Financeのハッキング事件により大きく取引量が縮小し、8月以来の水準に戻っている。
DeFiPulseでは10のプロジェクトがDEXに分類されている。個々のプロジェクトは、板で取引されるオーダーブック方式か、あるいは流動性プールの中で価格が自動的に決定されるAMM方式、PMM方式かといった点が異なっている。
DeFiPulseによると、DEXのTVL全体の67.35%をUniswapが占める。9月18日からの基盤トークンUNIの配布や、その後のバイナンス上場などが、UniswapのTVL急増につながった。2位はステーブルコイン同士のDEX のCurve Finance、3位は自動ポートフォリオ管理を提供するBalancer、4位はUniswapから分岐したSushiswap、5位は新規の中国系プロジェクトのDODOである。DuneAnalytics によると、過去7日間のDEXの取引量のうち、51.3%をUniswap、41.7%をCurveが占めた。8月には、Uniswapの日次取引量がCoinbaseを上回ったことが注目を集めた。取引活動のあったユニークアドレスの数も、Uniswapが他のDEXプロジェクトを圧倒している。
出所:Coin Market Cap
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