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S&P500 月例レポート ― 記録的な企業利益、強気相場は過去最長を更新へ! (1) ―

2018/08/11 07:00
株探
 S&P500月例レポートでは、S&P500の値動きから米国マーケットの動向を解説します。市場全体のトレンドだけではなく、業種、さらには個別銘柄レベルでの分析を行い、米国マーケットの現状を掘り下げて説明します。

●THE S&P 500 MARKET: 2018年7月

 われわれは大きくなっても子供心を忘れていないようです(中にはちゃんと大人になっている人もいますが)。子供たちが大好きなものといえばサーカスですが、7月の市場はまさにサーカスのような展開でした。株式市場の子供たちは笑顔で月末を迎え、ごく少数は8月の夏休みに出かけ、7月に取っていなければ大部分は短い休暇に出かけました。というのも、7月のS&P 500指数が4カ月連続の上昇となり(累計で6.64%上昇)、中でも7月は3.60%もの最大の上昇率だったからです。

 この4カ月間は減税の影響が出始めた時期で、2018年第1四半期の企業利益が記録的な水準なり、予想を上回る売上高になったことに加え、第2四半期も現時点で指数構成銘柄の74.8%が決算発表を終了し、通常よりも多くの企業(過去平均の67%に対して現時点で80%)で利益が予想を上回っています。売上高も現時点で前年同期比10.3%増は過去最高となる見込みで、2四半期連続の増収となり、利益率も過去最高となりそうです。

 企業利益は毎回Twitter(TWTR、年初来32.7%高、7月は27.0%安)やFacebook(FB、同2.2%安、11.2%安)に投稿されるほどのことではありませんが、中にはAmazon(AMZN、同52.0%高、4.6%高)を始め大幅に増加した企業もあり、楽観ムードが再び高まっているようです。S&P 500指数は終値での最高値から1.97%安の水準にあり、直近の高値更新は2018年1月26日の2,872.87です。

 企業利益がサーカスの最大の目玉だとしたら、2番目は貿易でしょう。米国と欧州連合(EU)は正式交渉を経て合意し、北米自由貿易協定(NAFTA)交渉も前進し、市場は秋に合意に達するとみています。残る重要な交渉相手国は中国です(近いうちに交渉が再開するとの報道もあります)。

 3つ目の演目(それほど心躍る内容ではありませんが、投資では重要です)は経済で、住宅関連指標は予想を下回る結果となりました。しかし、経済は依然として上向いており、2018年第2四半期GDP成長率速報値は前期比年率4.1%となり、市場予想こそ下回りましたが、大幅な伸びとなりました(第1四半期のGDP成長率は当初発表の同2.0%から2.2%へ上方修正)。

 ここで問題になるのは、サーカスが嫌いなのは誰かということです。この答えが、サーカスが永遠に続く方に賭けているピエロでないことを願うばかりです。

 7月は新たな議論も浮上しました。というよりも、とどまることのない気まぐれに振り回され、そのたびに事態を解釈し直し、書き直さなければならない執筆者泣かせの1カ月でした。ウォール街としてはまるで他人事だったようです。

 というのも株価に影響がなければ自分に火の粉が及ぶことはないからです。つまり、トランプ大統領とプーチン大統領の2時間にわたる第1回会談(第2回は米国中間選挙投票日の2018年11月6日より前にホワイトハウスで行われる予定)や、貿易に関する「非常に」公式な議論といった一連のイベントを受けて、市場への影響はほとんどありませんでした。貿易に関しては、全体としては正式交渉や水面下での合意に向けた合意で進展しているように見えますが、依然としてパフォーマンス感は否定できません。

 市場に一時的な反応が全くなかったわけではなく、今後も反応しないとは限りませんが、前述の通り、S&P 500指数は史上最高値から1.97%安の水準にあり、現在の強気相場は2018年8月22日に過去最長を更新する見通しです。

●「嘘には3種類ある。普通の嘘、真っ赤な嘘、そして統計だ」(マーク・トウェイン)

・貿易問題がメディアを賑わし、グローバル市場を左右しました。そうした中、米国市場は企業業績を中心に展開し、他の地域に比べてかなり順調でした。

  →米国市場は7月に3.25%上昇し、年初来で5.62%上昇
   ◇時価総額は7月に8,760億ドル増、年初来で1兆2,140億ドル増

  →米国以外の市場は7月に1.91%上昇、年初来で3.16%下落
   ◇時価総額は7月に5,020億ドル増、年初来で8,640億ドル減

・貿易をめぐる正式交渉が実を結び、EUとは合意に向けた合意がまとまり、NAFTAでは第3四半期中の合意に向けて交渉が進んでいます。米中問題はもっぱらメディアで大きく取り上げられていますが、近いうちに交渉が再開される見通しです。

・米国10年国債利回りは2.96%と、6月末の2.86%から上昇して月を終えましたが、5月に付けた3.13%には届きませんでした。

・S&P 500指数構成銘柄の74.8%(時価総額ベースで62.4%)が2018年第2四半期の決算発表を終えた時点で、80%の企業で営業利益が予想を上回り、売上高は前年同期比10.3%増、営業利益率は11.69%(過去平均は8.08%)となりました。

・S&P 500指数は終値での最高値から1.97%安の水準にあり、2009年3月9日に始まった現在の強気相場は2018年8月22日に過去最長を更新する見通しです。

・年初来のS&P 500指数は上値の重い展開となっていますが、年率換算の年初来リターンは9.23%、配当込みのトータルリターンは11.23%となっています(2017年通年は19.42%とプラス21.83%)。

・Appleの時価総額(2018年8月1日の取引開始前時点)は9,580億ドルと、1兆ドルの大台達成まであと4.4%の水準まで来ています。

●主なポイント

・7月のS&P 500指数は2,816.29で取引を終え、6月末の2,718.37から3.60%上昇しました(配当込みのトータルリターンはプラス3.72%)。同指数は、6月は0.48%の上昇(同プラス0.62%)、5月は2.16%の上昇(同プラス2.41%)でした。また、過去3カ月間で6.35%上昇(同プラス6.87%)、年初来では5.34%上昇(同プラス6.47%)、過去1年間では14.01%上昇(同プラス16.24%)、大統領選当日(終値2,139.56)からは31.63%上昇(同プラス36.17%)しました。S&P 500指数は7月中に最高値を更新することはなく、終値での最高値更新は年初来で14回となっています(直近の高値更新は2018年1月26日で2,872.87)。最高値の更新回数は2017年に62回(1995年の77回に次ぐ過去2番目の更新回数)、大統領選以降で84回となりました。

 ダウ・ジョーンズ工業株価平均(ダウ平均)は25,415.19ドルで取引を終え、6月末の24,271.41ドルから4.71%上昇しました(配当込みのトータルリターンはプラス4.83%)。6月のダウ平均は5月末から0.59%下落(同マイナス0.49%)、5月は4月末から0.15%上昇していました(同プラス1.41%)。過去3カ月では5.18%の上昇(同プラス5.80%)、年初来では2.82%の上昇(同プラス4.07%)となっています。ダウ平均も7月中に最高値を更新することはありませんでした(年初来では終値での最高値を11回更新、直近の高値更新は2018年1月26日で26,616.71ドル)。最高値の更新回数は2017年に71回と過去最高を記録し(1896年以降。1995年は69回)、大統領選以降で99回となっています。

・米国10年国債利回りは6月末の2.86%から上昇して2.96%で取引を終えました(2017年末は2.41%、2016年末は2.45%)。

・英ポンドは6月末の1ポンド=1.3205ドルから1.3123ドルに下落し(同1.3498ドル、同1.2345ドル)、ユーロは6月末の1ユーロ=1.1685ドルから1.1693ドルに上昇しました(同1.2000ドル、同1.0520ドル)。円は6月末の1ドル=110.68円から111.84円に下落し(同112.68円、同117.00円)、人民元は6月末の1ドル=6.6225元から6.814元に下落しました(同6.5030元、同6.9448元)。

・原油価格は6月末の1バレル=74.31ドルから下落して68.43ドルとなりましたが、5月末の66.93ドルを上回りました(同60.09ドル、同53.89ドル)。米国のガソリン価格(米エネルギー情報局(EIA)による全等級)は6月末の1ガロン=2.913ドルから小幅に下落して2.911ドルで取引を終えました(同2.589ドル、同2.364ドル)。

・金価格は6月末の1トロイオンス=1,254.40ドルから下落して1,232.90ドルで取引を終えました(同1,305.00ドル、同1,152.00ドル)。

・VIX恐怖指数は7月中に18.08の高値と11.44の安値を付け、6月末の16.09から低下して12.84で月を終えました(同11.05、同14.04)。

・S&P 500指数の時価総額の74.8%の企業が2018年第2四半期の業績発表を終え、80%の企業で営業利益が予想を上回りました。予想を上回った企業の割合は過去最高を更新しました。売上高は前年同期比10.3%増と力強い伸びを示しており、営業利益率とともに過去最高を更新する可能性があります。

・自社株買い承認額の57.3%の買い戻しが実施されました(総額1,074億ドル)。2018年第2四半期は過去最高を記録した2018年第1四半期を1.9%下回っている一方、2017年第2四半期を62.6%上回っています。

・ビットコインは7月中に8,486ドルの高値と5,538ドルの安値を付け、6月末の5,921ドルから上昇して7,703ドルで取引を終えました(同13,850ドル、同968ドル)。

・ボトムアップベースで算出した1年後の目標値はS&P 500指数が3,053(現在値から8.41%上昇、6月末時点では3,023)、ダウ平均は27,831ドル(同9.50%上昇、同27,798ドル)と、市場の動きに合わせて引き続き上昇しました。

・S&P 500指数に対する上位5社の寄与度は20.0%と予想されます(Amazon(AMZN)、Microsoft(MSFT)、Facebook(FB)、Berkshire Hathaway Inc.(BRK.A)、Apple(AAPL))。

※「記録的な企業利益、強気相場は過去最長を更新へ! (2) 」へ続く

株探ニュース
配信元: 株探
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