ハイパーインフレに悩んでいるベネズエラのマドゥロ大統領は17日、95%の通貨切り下げを発表した。政府は通貨切り下げと同時に通貨の単位を5桁外すデノミに加え、新たな通貨「ボリバル・ソベラノ」の導入と通貨の名称変更を実施することを発表した。新通貨の価値は世界で初めてのソブリン発行の仮想通貨となった「ペトロ」に連動させる。
ペトロは原油が裏付けとなっており、政府は1ペトロ=60ドルまたは3600ボリバル・ソベラノと設定。ペトロは変動し、物価の決定に利用される。
自国通貨への信頼を失ったベネズエラ国民は資産を、ビットコイン、DogeCoinといったデジタルコインに資産を移行してきた。
仮想通貨投資家やベネズエラ国民は、政府が新通貨を「ペトロ」に連動させるという措置に当惑している。まず、連動させる方法だ。「ペトロ」は、ベネズエラの比較的小規模な油田で産出された原油の予想価格が連動する。理論的に1「ペトロ」は1バーレルに等しくなるべきだ。「ペトロ」は資産として実際に存在しない。また、どの取引所にも上場しておらず不透明感が強い。デジタル資産は価値の貯蓄としてはまだ安定していない。さらに、米国政府が国民の「ペトロ」保有を禁止していることも、マイナス材料となる。
一方で、マドゥロ大統領は同国の全般的経済、年金をすべて「ペトロ」に連動するという大望を持っている。
仮想通貨市場は困惑したまま。情報も開示されておらず、「ペトロ」のICOが成功か失敗かも判断できない。
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