経済産業省が初めてNFT(非代替性トークン)を活用した実証実験に乗り出す、とNHKニュースが27日に報じた。
経産省は2022年2月ごろからファッションの分野でNFTを活用した初の実証実験を行い、デザイナーが制作した1点ものの洋服にNFTを付けて3Dでデータ化するという。すでにアートの分野でNFT技術を使ったサービスを提供しているスタートアップ企業に委託しているようだ。
今回の実験では、商品の展示会で1点ものの洋服にNFTをつけて販売するほか、洋服を3DのCGにして仮想空間メタバースのアバターに着せるデータや自分の写真に合成したデータも合わせて販売する。洋服はデジタル空間で転売されてもNFTで履歴が管理できるため、収益の一部がデザイナーに還元される仕組みをつくる。また、NFTを活用してデザイナーの収益源を多様化し競争力の強化につなげ、海外に出遅れないよう後押しするようだ。
25日には、東京海上日動火災保険はデジタル通貨を使った貿易決済支援に乗り出す、と日本経済新聞が報じた。価格変動の大きいビットコインなどは決済に向かないと判断し、米ドルに連動したステーブルコインや電子化した船荷証券を使い、貿易代金のやりとりを即時にできる仕組みをつくるようで、2023年度の導入をめざすという。
NTTデータ<9613>やスタンデージと貿易決済のシステムを開発して国際特許を出願、世界でも初の取り組みだという。従来は決済に最大1カ月かかり決済コストも高かったが、同システムの導入により即座決済で、決済コストも3分の1に下がる見込みとした。
国内でもブロックチェーン技術を活用する動きが広がってきた。2021年の暗号資産業界で注目されたNFTなどの技術を使って、今後も様々なサービスが展開されていく可能性があろう。
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