機関投資家や金融機関向けにDeFi(分散型金融)のコンパウンドプロトコルサービスを提供する「Compound Treasury」は9日、米S&P Global Ratingsから信用格付けを受けたと発表した。
Compound TreasuryはS&PからB-の信用格付けを取得し、DeFiプラットフォームとして主要な格付け機関から初めてこのようなスコアを得た。信用格付けは、企業や政府が債権を発行し、その債務を適時に履行する度合いについて投資家に洞察を与えるもので、格付けはDからトリプルAまである。B-格付けの国には、アンゴラやエルサルバドルなどがある。
Compound Treasuryの資産はすべてドルと結びついているため、S&Pは見通しを「安定的」と判断したという。ただ、報告書の中で、同社の資本基盤が非常に低いこと、暗号資産及びステーブルコインに関連する規制リスク、運用リスクと複雑さ、ステーブルコインからフィアットへの変換リスク、4%のリターンを生み出すための潜在的ハードル、などの弱みが挙げられたようだ。
Compound TreasuryのゼネラルマネジャーであるReid Cuming氏は、「Compound Treasuryは予測可能で、流動性があり、コンプライアンスがあり、透明性があるため、今回格付けされた。」と述べた上で、「S&Pの格付けによって、我々の機関投資家は暗号資産を使ったキャッシュマネジメントの機会とリスクをより容易に理解できるようになった。」と述べた。
Compound Treasuryはカストディ事業者のFireblocksやステーブルコインUSDCの発行元であるCircleと協力して、機関投資家向けに設計された暗号を利用した現金管理ソリューションである。機関投資家などはCompound Treasuryに流動性を提供することで、4%の年利を受け取ることができる。今後、デジタル資産業界に対する規制の明確化や安定したパフォーマンスの長期的な実績などの上昇シナリオがあれば、Compound Treasuryは将来的に格付けが上がる可能性があるという。
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