世界のGDPの95%以上を占める114カ国が、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発/調査に取り組んでいることが最新の調査データにより明らかとなりました。
@ACGeoEcon recently updated its Central Bank Digital Currency (CBDC) Tracker.
114 countries are now exploring a CBDC, making up over 95% of world GDP!
Check out the updates—including info on the US decision to move forward on developing a wholesale CBDC: https://t.co/qSyRNQKvld pic.twitter.com/9ZlInUJuNg
— Atlantic Council (@AtlanticCouncil) December 31, 2022
大西洋評議会(アトランティック・カウンシル)が先日更新したデータによると、G7(フランス、米国、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、欧州連合)の全ての国/地域がCBDCの開発への取り組みを実施。2020年5月時点でCBDCを検討していた国が35カ国であったのに対し、現在60カ国以上が開発、パイロットテスト、ローンチのいずれかの状態であるとしています。
G7の取り組みよりも一歩進んだパイロットテストを行なっている国は中国、ロシア、インド、韓国など17カ国。中国では、2021年中頃には大規模なデジタル人民元のエアドロップの実施、2022年初頭にはデジタル人民元アプリ 「数字人民币」のパイロット版をAndroid/App Storeでリリースされるなどの取り組みが行われています。
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すでにCBDCをローンチしているのはナイジェリア、ジャマイカ、バハマ、東カリブ諸国(8カ国)の合計11カ国。左記の中で最新の取り組みを行なったのはジャマイカで、2022年5月にCBDC「Jam-Dex」を段階的に展開していくと発表しています。
アトランティック・カウンシルは、2023年にはさらに20カ国以上がCBDCの試験運用に向けて動くと予想しており、オーストラリア、タイ、ブラジル、インド、韓国、ロシアなどでパイロットテストが継続/開始されるとしています。
日本銀行は今年4月、CBDCに求められる機能や特性が技術的に実現可能かどうかを検証するための概念実証を行う”フェーズ1″を終了し、より複雑な周辺機能を付け加えた状態での実現可能性や課題を検証していく”フェーズ2″を開始すると発表しました。
日本銀行は、4月から、CBDCに様々な「周辺機能」を付加して、その実現可能性や課題を検証する「概念実証フェーズ2」を開始します。https://t.co/4Cyrf3tINm pic.twitter.com/DDPbe5N76k
— 日本銀行 (@Bank_of_Japan_j) March 25, 2022
昨年11月末に開催された連絡協議会で日本銀行の内田真一理事は、CBDCへの取り組みに関して下記5つの点を挙げています。
- 「CBDCを巡る検討は「将来の決済システムの全体像」を考える作業である」
- 「決済の未来を考えることは、民間との共同作業である」
- 「デジタル社会における未来像を考えるうえで今は良い時期ではない」
- 「国際的な視点が重要であると同時に、各国の実情が反映される余地は十分にある」
- 「決済システムの未来だけでなく、より広い意味でのイノベーションについても語っている」
国内外で取り組みが進められているCBDCの動向に関して、今後も注目が集まります。
日本銀行理事「選択肢が乏しくなる前にあるべき姿を」CBDCへの取り組み語る
記事ソース:Atlantic Council
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