国内最大のECモールを運営する楽天<4755>は、仮想通貨取引所を手がけるみんなのビットコインを買収すると発表した。
みんなのビットコインは、昨年3月に仮想通貨取引所のサービスを開始、現在は仮想通貨交換業者への登録申請中で、「みなし仮想通貨交換業者」として営業を行っている。今年4月には、関東財務局より業務改善命令を受けており、改善に取り組んでいるようだ。
楽天は、ブロックチェーン技術の研究を進めており、将来的にはeコマースや実店舗での決済、P to Pでの決済手段として、仮想通貨に価値を見込んでいるという。このような仮想通貨の決済手段を提供していくためには、仮想通貨交換所機能の提供が必要であり、これまで参入を検討してきたとみられている。また、同グループの楽天証券において、FX顧客を中心に、仮想通貨による運用機会の提供を期待する顧客の声が大きくなっていることも、今回の決断の背景となっているようだ。
同社は、これまでも仮想通貨やブロックチェーンなど、フィンテック関連事業を推進してきた。2016年8月には、ブロックチェーン技術に特化した研究開発組織「楽天ブロックチェーン・ラボ」を英国に開設することを発表した。また、今年7月には子会社のバイバー・メディア社が運営する無料通話・メッセージサービス「Viber(バイバー)」を利用した独自仮想通貨「楽天コイン」による仮想通貨事業をロシアで実施する計画であることが報じられている。
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