スマホ向けメッセンジャーアプリ「LINE」を運営するLINE<3938>は8月31日、子会社のLVC社とそのグループ会社を通じて「LINEトークンエコノミー」構想を発表し、独自に開発したブロックチェーンネットワーク「LINK Chain」を基盤とした「LINKエコシステム」を公開した。また、このシステム内で利用できる独自通貨として、日本向けに「LINK Point」、海外向けに「LINK」を発行するとみられている。
トークンエコノミーとは、独自の仮想通貨など、仮想通貨で一定の経済圏を作ることを指す。同社は独自開発したブロックチェーンを利用して独自トークンを発行し、さらにそのブロックチェーンを利用した様々なサービスを提供することで、ユーザーがそのサービス内において例えばゲームやエンタメコンテンツを購入したり、ユーザー同士がトークンを交換したりすることができる、ユーザー参加型コンテンツとしての環境を構築するというものだ。
日本に居住するユーザーは、メッセージングアプリLINEとブロックチェーンを組み合わせた分散型アプリケーション(Dapp)サービスやLINEサービスを利用すると、そこでのアクション内容やサービスへの貢献レベルに応じて「LINK Point」を獲得することができるという。獲得した「LINK Point」は、他のDappサービスで使用できるほか、「LINEポイント」に交換して利用することが可能だ。「LINEポイント」は、1ポイント=1円として、LINE Payでの決済やLINEサービスでの購入・決済時に利用できるようだ。
一方、海外向けに発行する「LINK」は、今年9月、日米以外の利用者を対象にLINE Tech Plusが運営する仮想通貨取引所「BITBOX」での取り扱いを予定している。ユーザーがDappサービス上で報酬として獲得した「LINK」は、仮想通貨交換所「BITBOX」上にて、他の仮想通貨との交換、取引が可能になるという。
大手企業の仮想通貨事業参入は続いており、国内最大のECモールを運営する楽天<4755>は8月31日、仮想通貨取引所を手がけるみんなのビットコインを買収すると発表している。楽天やLINEの今後の意向によっては国内でポイント産業と仮想通貨のシナジーが生まれる可能性もあり、動向が注目される。
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