Ethereum(イーサリアム)のアップグレード「上海」が完了しました。これにより、ETHステーキングのロックアップが解除され、より柔軟なステーキング方法が選択できるようになります。
Hi Shapella 👋
Withdrawals have appeared! pic.twitter.com/POqeZwkZJ4
— Etherscan (@etherscan) April 12, 2023
今回のアップグレードでは、下記5つの提案が取り入れられました。
- EIP-3651:Warm COINBASE
- EIP-3855: PUSH0命令
- EIP-3860: リミット・メータ・イニコード
- EIP-4895: ビーコンチェーンのプッシュ引き出しをオペレーションにする
- EIP-6049: SELFDESTRUCT の非推奨
EIP-3651は、バリデーターやブロックの構築者が使用するアドレス「COINBASE」で、低いガス代でのアクセスを可能とする提案。これにより、Maximal Extractable Value(MEV)の支払いだけでなく、他のユーザーエクスペリエンスも向上する可能性があるとされています。*「COINBASE」は取引所のCoinbaseとは無関係
EIP-3855は、定数値0をスタックにプッシュする命令を導入する提案で、この変更により、スマートコントラクトがより安全かつコンパクトになり、誤ったコントラクトによるリスクが低減可能です。
EIP-3860では、開発者がスマートコントラクトに使用するコード「initcode」を使用する際に、ガス代の上限が設けられます。これにより、将来的なリスクの軽減やEVMエンジンの簡素化が図られるとしています。
今回のアップグレードのメインの変更点であるEIP-4895では、ビーコンチェーンで行われたバリデータの引き出しがEVMに入る方法が提供され、ステークしていたETHの引き出しが出来るようになりました。
EIP-6049は、ブロックチェーン上のコントラクトを破棄できる機能である「SELFDESTRUCT」を非推奨とし、その使用を警告する提案。この機能は攻撃などを受けた場合の緊急時に対処ができる一方で、開発の複雑さを増し、攻撃者に攻撃経路を開く可能性があるため非推奨とされています。
データプラットフォームNansenによると、上海アップグレード実施後1時間でステーキングされていた3,902 ETHが引き出されており、その後3時間が経過した記事執筆時点では、27,181 ETHの引き出しが行われています。
#Ethereum‘s Shanghai/Shapella upgrade is now complete 🎉
The first 3,902 ETH withdrawn
Check here 👉 https://t.co/AcFM8zBb7Z pic.twitter.com/inRT2JWEfl
— Nansen 🧭 (@nansen_ai) April 12, 2023
昨年9月、Ethereum最大のアップグレード「マージ」が行われ、旧来のPoW(Proof of Work)からPoS(Proof of Stake)への移行がなされました。
関連:イーサリアム「マージ」実施完了 | ハードフォークは24時間以内に実行か
今後Ethereumには、ロールアップ向けのスケーラビリティ向上を⽬指した⼀連の改善提案を含むThe Surge(ザ・サージ)や、マークルツリーをVerkle Tree(ヴァークルツリー)という新たな圧縮技術に置き換えるための⼀連のアップグレードを行うThe Verge(ザ・ヴァージ)などが実施予定となっています。
CT Analysis第32回レポート『Ethereum 2022年夏 次期アップグレード「The Merge」とその後のロードマップを理解する』を無料公開
記事ソース:Ethereum Foundation Blog、Nansen
The post イーサリアム「上海」アップグレードが完了|$ETHの引き出しが可能に appeared first on CRYPTO TIMES