仮想通貨懐疑論者として知られる米国のエリザベス・ウォーレン上院議員が8日、米国のIT大手であるフェイスブックやアマゾン、グーグルの解体を呼びかけた。
ウォーレン議員は、2020年の大統領選への出馬を表明しており、ハイテク大手の解体は同議員の公約となるかもしれない。
ウォーレン議員は、米IT大手の巨大化により公正な競争力やイノベーション、プライバシーなどが守られなくなってきていることに危機感を示し、私の政権では以下の2つのことを実行すると述べた。
1. 巨大ハイテク企業のプラットフォームを「プラットフォーム公益事業(プラットフォーム・ユーティリティーズ)」に指定し、自らがそのプラットフォームに参加することを阻止する法律を可決させる。
ウォーレン氏は、アマゾンが自社のプラットフォームで独自ブランドを展開することで中小の小売店の参入を阻害したり、グーグルのレストラン・ランキングがYelpより検索で上位に表示されたりすることを「利益相反」と批判。
世界の年間売上高が250億ドル(約2兆8000万円)を超えるプラットフォーム企業を「プラットフォーム公益事業」に指定し、プラットフォームへの参加を禁止することを目指す考えを示した。
アマゾン・マーケットプレイスやグーグル検索は、「プラットフォーム公益事業」に該当することになるという。
2.不法で競争を阻害するハイテク企業の合併を無効にするために従事する規制機関を任命する。
ウォーレン氏は、巨大ハイテク企業が将来競争相手になりそうな企業を買収することで、競争を阻害していると批判。
現存する独占禁止法を使えば、連邦政府の規制機関は競争を阻害する合併を無効にできるとし、このための担当者を任命すると述べた。
ウォーレン氏がターゲットにしている合併は以下の通りだ。
- アマゾン:ホールフーズ、Zappos
- フェイスブック:ワッツアップ、インスタグラム
- グーグル:Waze、ネスト、ダブルクリック
仮想通貨懐疑論者
民主党所属のウォーレン議員は、仮想通貨懐疑論者としても知られている。
昨年10月に開かれた上院の公聴会に出席したウォーレン議員は、ウォーレン氏は米国の消費者が仮想通貨を用いる詐欺師たちの被害に遭っていることを解説。
「消費者を保護しながら仮想通貨の生産的な側面を促進することが課題だ」と述べた。
また、2017年11月には仮想通貨のボラティリティーの高さによって、「米国の消費者が傷つかないか心配」と懸念を示し、以下のように続けた。
「規制当局がウォール街の方ばかりに気を取られていれば、傷つくのはアメリカ人の家族だ。FRBが仮想通貨システム内のリスクをしっかりと監視することが必要だ。それはアメリカ市民ではなくFRBの仕事だ
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