トレンド転換に勝負をかける「買い」と、慎重派「売り」の攻防
ここ数日の市場は激しい相場の上下が繰り返されています。ビットコインは、4/14から4/19までで、7840ドル〜8400ドル台の間を大幅に推移、それにつられてか市場全体も上昇傾向を見せつつ突発的な急落と急上昇を繰り返しています。
ボラティリティの高さは仮想通貨にはつきものですが、4/12直前には一時的な落ち着きがありました。12日のビットコイン14%上昇で相場が短期(20日)指数移動平均超えるなど、「買い」のシグナルがその他にも出ています。
これが現在のスペキュレーション再来の引金となっているように見えます。
4/12(木)にはイスラム教が仮想通貨を許容する趣旨の暫定的なレポートが投資ファンドのBlossomより公開されました。
イスラム教ではこれまで仮想通貨が「お金・資産」であるかが曖昧であった上に、ギャンブルが禁じられていることからボラティリティの高い仮想通貨への投機が禁止、あるいはグレーゾーンでした。
参考記事:「仮想通貨が16億人規模の市場開拓か:仮想通貨のイスラム教典準拠暫定レポートまとめ」
これだけのレンジを突発的に推移する背景には、大口投資家の「買い」と「売り」の駆け引きがあるように考えられます。
アメリカのIronChain CapitalのCEO、ジョナサン・ベネッサヤ氏は所謂ウェイル(英語でクジラを意味し、個人と機関投資家を含め強い投資力をもつ投資家を指す)が市場を操作しようとしているとBloombergとのインタビュー記事で指摘しています。
今年の1月から続いている売りトレンドが現在転換しかけているようにも見えるので、ここで勝負をかけているウェイルがいる可能性は純分に考えられます。
しかし、同記事でトム・リーが指摘するように、現在の「転換期」とも思える仮想通貨市場は流動性が極端に低い上に、規制を取り巻く不確実性とそれから生まれる「緊張感」がのしかかっています。
突然の規制やネガティブな報道による暴落を警戒する慎重派が売り圧力をかけにきている可能性もあります。また、7月にはG20による国際的な規制の方向性が出される見通しのなか、それを待ちつつ慎重な姿勢をとるウェイルの存在も指摘できます(規制発表前には相場が下がる傾向があるため)。
出所:Bloomberg
一目均衡表を見ると、現在は遅行線が上抜けをする見通しがほぼ確実な上に転換線が基準線を上抜けしそうです。また、4/23までは雲が薄く、強い買いシグナルとなる三役好転(上図内の赤丸)が意識できます。
このことから、今週から来週にかけて現在の激しい相場の変動、「買い」と「売り」の駆け引きが収束に向かう可能性があります。
<本記事ご協力>
ビットコインなどの仮想通貨をまとめたメディア『FinAlt』が提供