ゴールドマンサックスのCFO(最高財務責任者)マーティン・チャベス氏は、ゴールドマンサックスが仮想通貨のトレードデスクを開設する計画を取り止めたという報道は「フェイクニュース」だと断言。

顧客の要望に応えるために「ビットコインのデリバティブ(金融派生商品)」の開発を進めていると述べたとCNBCが6日に報じた。

市場ではトレードデスク開設中止のニュースが6日の仮想通貨相場急落のきっかけになったという見方が出ていた。

チャベス氏は、サンフランシスコで開かれていたテッククランチのコンフェレンスで次のように述べたという。

「この言葉を自分が使うとは思わなかったが、あのニュースはフェイクニュースだと言わざるを得ない」

その上で、ゴールドマンサックスは「顧客の需要があるため」ビットコインデリバティブの開発を進めていると発言したという。

ただ一方でチャベス氏は、「デジタル資産の検討内容は時間とともに変化していく」として具体的なスケジュールはまだわからない旨を説明した。

ゴールドマンサックスは5月以降、シカゴオプション取引所(CBOE)や米シカゴ先物市場(CME)が提供するビットコイン先物を顧客の代わりに取引するサービスを開始したが、ビットコインの現物取引はまだ始めていない。

チャベス氏はその理由を次のように解説した。

「現物のビットコインにはかなり興味を持っているが、一方で大きな課題が存在する。カストディ(資産管理)の観点から、我々はまだ機関投資家に安全な水準のカストディサービスを提供できないと考えている。そうした制度が構築されるのには興味があるが、長い道のりだと思う」

一部のアナリストは、ゴールドマンサックスが機関投資家を巻き込むことが難しいと考えているのではないかとみていた。

RBCキャピタルのミッチ・スティーブ氏は「トレードデスク開設中止」のニュースを受けて、ゴールドマンサックスは「機関投資家を巻き込むたの次のステップとして、ビットコインETFが承認されなければいけないということに気づいたのだろう」と分析した。

また、そもそも6日の仮想通貨相場急落は、ゴールドマンサックスのニュースではなく、仮想通貨両替サービスを手がけるシェイプシフトの運営上の方針転換だという見方が出ている。

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