おさらい

9月12日にFinAltでもお伝えした通り、ビットコインキャッシュコミュニティーは、11月15日のソフトウェアアップデートを巡りコミュニティー内で複数勢力の対立が起きています(第1図)。

事の発端は、ビットコインキャッシュのクライアントを開発するBitcoin ABCが今年7月に提案したアップデートに対し、サトシナカモト本人とも噂されるクレッグ・ライト氏率いるnChainや、CoinGeekが反対し、対抗馬としてBitcoin SVクライアントがローンチされたことです。

こうした中、Bitcoin Unlimitedが和解案として、両者のアップデートを投票で決める案を提示したところ、Cobraが両者のアップデートを行わないという予想外な動きに出たことで、対立の溝が一向に埋まらない状況が続いております。

【第1図:ビットコインキャッシュコミュニティー内勢力図】

 

このまま対立が解消されないと、ネットワークが分裂することとなり、信頼性の低下やセキュリティーリスクの増加を招きかねません。

対立激化で分裂濃厚か

しかし、Bitcoin ABCとBitcoin SVの支持者の間では、和解に向かうどころか対立の溝を深めるようなやり取りが繰り広げられております。

9月17日には、BitmainのCEO、Jihan Wu氏がTwitter上でBitcoin SVに対し暴言を吐き、翌18日にはライト氏が「Wu氏はアルトコインを作ればいい。彼はETHとLTCに庶子を作らせたいのだ」と反論するなど、対立はまさに白熱しております。

一方で、Bitcoin VSを支持するCoinGeekは17日、このような分裂は分散型システムの中では「起こる運命にある」とハードフォークによるネットワーク分裂を受容しているとも受け取れる意向をブログで発表しました。

クリプト・ジーザスとも称されるロジャー・バー氏も、分散型組織であるからこそ、一つの「リーダーシップ」がなく、コミュニティー内で各ファクションが戦っていかなければならないという事実を認識しているようで、全体を見渡すと11月のハードフォークでネットワークが分裂する可能性が濃厚と言えそうです。

 

<本記事ご協力>

ビットコインなどの仮想通貨をまとめたメディア『FinAlt』が提供