ビットコイン(BTC)の対ドル相場は19日、心理的節目となる5000ドルを昨年の10月ぶりに割り込みました。
14日に重要なサポートとして意識されていた年初来安値(6月24日安値:5755ドル)を更新し、市場の悲壮感が加速していたなかでの今回の5000ドル維持失敗は、市場参加者に更なる心理的ダメージを与えているかと考えられます。
その上、この先はテクニカル的に短期的な下値目途が乏しいと言え、どのタイミングで相場が下げ止まるか見極めにくい状況となっています。
本項では、そんなBTC対ドル相場のこの先のチャートポイントを、短期と長期のチャートを用いて解説していこうと思います。
ビットコイン(BTC/USD)4時間足チャート
BTC対ドル相場の4時間足チャートは、第1図の通り9月から11月13日まで比較的狭いレンジの中で推移し、14日から15日にかけて下落の第1波を迎え、19日にその第2波がきた格好となっています。
【第1図:BTC対ドル相場チャート(4時間足)】
出所:Trading ViewのBTC/USDチャートより作成
ここで注目したいのは、16日から18日にかけての一時的な揉み合いによって形成された「ペナント」です。
ペナントは短期的に形成されるトライアングルパターンの一種で、出来高の増加を伴う急激な値動きの途中に出現したあと、出来高の増加を伴い直前の値動きと同じ方向に同程度の距離価格が動くというトレンド継続パターンとして知られています。
ポイントは、「直前の値動きと同じ方向に同程度の距離価格が動く」という点で、このことからペナントは「旗竿の半旗の位置ではばたく」とも言われます。
第2図を見てわかる通り、BTCの対ドル相場は14日から15日に出来高の増加を伴い急激に下落、ペナント形成時には出来高は落ち着き、19日には出来高の増加を伴い再び急激に下落しました。さらに、ペナント形成直前の下落率は-10.8%で直後の下落率は-12.7%と同程度の値動きとなっています。
このことから、一連の急激な値動きは一旦終わったということが指摘されます。
もっとも、このパターンはトレンド継続パターンの一種で、一連の値動きが終わったからといって相場が反発するサインになるということではなく、あくまで急激な一方向の値動きが終わる「節目」になるということです。
ですので、この先は5000ドル付近の水準で再び横ばい、あるいは同水準から続落となることも考えられます。
【第2図:BTC対ドル相場チャート(4時間足)その2】
出所:Trading ViewのBTC/USDチャートより作成
ビットコイン(BTC/USD)日足チャート
BTC対ドルの日足チャートを見ると、14日の下落前のボックス相場は、直前までのメジャーな下降トレンドの「一時的な休止期間」であったことが指摘されます(第3図)。
ボックス相場も基本的にはトレンドの継続パターンとなりますが、今回のボックス相場は「底値圏での展開」と想定されていたので予測が困難でした。
相場は現在、昨年9月2日高値(4970ドル)を起点とするサポートライン付近で推移しており、その先には昨年8月17日高値(4492ドル)や昨年9月15日安値(2980ドル)を起点とするサポートラインがあります(第4図)。
【第3図:BTC対ドル相場チャート(日足)】
出所:Trading ViewのBTC/USDチャートより作成
【第4図:BTC対ドル相場チャート(日足)その2】
出所:Trading ViewのBTC/USDチャートより作成
ビットコイン(BTC/USD)週足チャート
BTC対ドルの週足チャートでは、下降ウェッジの形成が確認されます(第5図)。
ウェッジは、通常、上昇トレンド中には下降ウェッジ、下降トレンド中には上昇ウェッジと、トレンドとは逆方向に傾くトランアングルで、トレンドの継続パターンです。
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