STO(セキュリティー・トークン・オファリング)とは最近になり、注目され始めた比較的新しい資金調達方法になります。

STOを語る上でICO(イニシャル・コイン・オファリング)は欠かせない論点となっています。また、日本では先日ICO含む仮想通貨に対しての新たな規制が打ち出されました。

今回は、規制動向やICOの論点を整理しつつ、STO及びその他のICO類型についても解説します。

ICO(イニシャル・コイン・オファリング)とは

ICOは、IPO(イニシャル・パブリック・オファリング)を語源としてできた言葉で、企業またはプロジェクトが行う仮想通貨による資金調達方法のことです。

ICOは世界的な仮想通貨バブルを契機として注目を集めた資金調達方法です。ビットコインの価格上昇が注目されるなか、新たなトークンを比較的容易に組成できるイーサリアムによる資金調達が加速度的に増加しました。

その背景として、既存ビジネスに対して課題を感じているユーザー層のビジネス機運の高まりと、一攫千金を狙ったプロジェクトの資金調達ニーズが交錯していたことが挙げられます。

ICOは、今年に入り仮想通貨市場の冷え込みと共に、徐々に勢いを失いながら、ICOプロジェクトの破綻なども相次ぎ、その信用力には疑問の声もあります。

ここでは簡単にICOのメリット・デメリットをご紹介します。

・メリット

  1. ①    トークンの発行体は最初に多額の原資を用意せずにプロジェクトを発足できる
  2. ②    将来性のある技術やプロダクトをリリースするための足がかりとなる
  3. ③    投資する側は国際間の垣根を気にせずに個人単位でプロジェクトに参加できる
  4. ④    取引はほぼ全てインターネット上のみで完結

・デメリット

  1. ①    制度が確立していないため、規制の変化によるプロジェクト進行の遅延や中止、課税方法の変更などの可能性がある
  2. ②    現状、第三者機関による監督がないため、プロジェクトの実態を把握することが困難であり、責任の所在が曖昧
  3. ③    詐欺プロジェクトが横行しており、投資元本を100%失うリスクもある

以上のように、技術革新や産業の新陳代謝を高めるメリットがある反面、主に規制の整備が必要とされるデメリットが大きな課題となっています。

ICOの仕組みや論点について詳しくは、「仮想通貨のICOとは?:概要からメリットや注意点までを解説」をご覧ください。

ICOとSTOの関係性

ここでは、ICOの類型の1つとして捉えることのできるSTOについての説明と、STOが話題となった過程を解説します。

STO(セキュリティー・トークン・オファリング)とは

STOを説明する前に、まずトークンの類型について整理します。トークンには性質によって大きく①セキュリティトークン、②ユーティリティトークンに分類できます。

①    セキュリティトークン

セキュリティトークンとは、セキュリティ(証券)の意味をもつトークンを指します。このセキュリティに該当するかの判断基準は、米国と日本で異なっています。

米国では、SEC(※1)によるHowey TeST(※2)にて証券と認識されるものが対象となります。

一方、日本では一般的に配当を受けることができる権利が付与されたトークンを指します。

これはセキュリティトークン共通の性質で、さらに日本では2つの論点があります。

1つは「自律性」です。これは既存の金融商品である私募債などのように、トークンに譲渡制限を設ける仕組みとなります。KYCなどを通った投資家のみが受け取ることができるようにプログラミングを施すことが想定されます。

もう1つは「既存有価証券のトークン化」です。株や債券などの有価証券に電子化のもう一歩先であるトークン化を施すことで、証券保管振替機構(ほふり)やでんさいネットの利用による中間コストの削減を実現します。

両者ともに、既存の有価証券が持ちうる性質を有しているため、セキュリティトークンと定義されます。

②    ユーティリティトークン

ユーティリティトークンとは、「有用性」を意味し、特定のサービス内で価値を持つトークンを指します。

ICOプロジェクトのスケーラビリティにトークン価値が比例して推移しやすい特徴があります。

上記のセキュリティトークンと異なり、既存の法律上で規制を受けない範囲で行われてきました。しかし、後述の新規制により、その発行要件が厳しくなる可能性があります。

ここまで、トークン類型について説明しましたが、冒頭でSTOがICOの類型の1つと説明したのは、①セキュリティトークンを用いて行うICOと考えるとイメージしやすいでしょうか。

今までのICOはセキュリティトークンに係る法規制を懸念して、ユーティリティトークンを用いて行われてきましたが、今後の規制動向の整備にあたってセキュリティトークンを用いて行うICO、つまりSTOが注目されていることで敢えて分けて呼んでいると考えられるのです。

※1 Securities and Exchange Commissionの略称、投資家保護および公正な証券取引を目的として1934年に設立された独立の連邦政府機関
※2 一定の要件を満たす「投資契約」に該当する取引の判定を行うテスト

参考:STOリサーチ(Neutrino Research)

・STOのメリット

  1. ①    有価証券に該当した場合、責任の所在が明確になるため、弁済義務や発行体の監査などが期待される
  2. ②    一定の条件をクリアした限定的な個人・法人のみが投資可能

・STOのデメリット

  1. ①    メリットの裏返しとなるが、監査や投資家の審査による発行体及び投資家のハードル上昇が懸念される

既存金融商品との兼ね合いから今後も規制が変更される可能性は高く、注意が必要な形態となっています。現状では、ICOに代わる資金調達方法として期待する声が多いようです。

IEO(Initial Exchange Offering)とは

ICOではトークンを発行する企業と投資家間で直接していたやりとりを、特定の取引所を介して行う資金調達方法がIEOです。

<本記事ご協力>

ビットコインなどの仮想通貨をまとめたメディア『FinAlt』が提供

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※本記事の意見や予測は、筆者の個人的な見解であり、金融商品の売買を推奨を行うものではありません。
投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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