今週の仮想通貨市場時価総額は1035億ドルから1171億ドルと、比較的狭いレンジ内を推移しました(第1図)。
足もと、レンジ下限付近(1050億ドル台)で推移しており、同水準から反発できるか注目されます。
今週の注目ニュースとしては、以下が挙げられます。
- ①本邦金融庁が検討している仮想通貨規制の全貌が産経新聞社より明らかになる
- ②独アリアンツCEOの仮想通貨に対するネガティブ発言
- ③米商品先物取引委員会がイーサ(ETH)に関する一般からのコメント募集開始
仮想通貨市場
【第1図:仮想通貨市場時価総額】
出所:coinmarketcapより作成
金融庁:弁済資金確保からICO登録まで、国際基準に準拠した規制
金融庁が主催する「仮想通貨交換業等に関する研究会」にて検討されている日本においての仮想通貨規制の全貌が明らかになったと9日、産経新聞が報じました。
記事によると、来年の通常国会にて資金決済法に加え金融商品取引法(金商法)の改正を目指すようです。
現在、日本では、資金決済法による仮想通貨の規制が敷かれていますが、法改正により、①証拠金取引の登録制度と証拠金倍率上限、②投資型ICOの登録制度・投資家への情報提供・第三者によるチェック、③風説の流布の禁止が金商法に新たに盛り込まれるようです。
また、資金決済法の改正により、①顧客への弁済資源確保の要請、②匿名性の高い仮想通貨の取り扱いの禁止、③「仮想通貨」を「暗号資産」に名称変更することが検討されているようです。
ICOの登録制度は10月に金融活動作業部会(FATF)が更新したFATF勧告の意向を汲んだものとなっています。
これまで仮想通貨規制の面で世界をリードしてきた金融庁でしたが、「仮想通貨」の「暗号資産」への名称変更という点については国際的な流れに追随したかたちとなります。
また、弁済資源確保の要請は、今までに仮想通貨取引所からの巨額な顧客資産の不正流出事件を複数経験した日本ならではとなっています。
資金決済法に加え金商法が絡んでくるので、来年は税制面でも法改正の検討が議論されることも期待されます。
仮想通貨は違法?独アリアンツCEOが辛辣コメント
世界的に著名なドイツの資産運用会社アリアンツ・グローバル・インベスターズのCEO Andreas Utermann氏が火曜日、ロンドンで行われたパネルディスカッションにて、仮想通貨を「違法にすべきだ」と発言しました。
Utermann氏は、仮想通貨が「投資家の貯金をかき消している」と指摘し、各国の規制当局が強硬な姿勢を示していないことに驚きを示しました。
これに対し、パネリストとして登壇していた英国の金融庁に当たる金融行動監督機構(FCA)のAndrew Baily氏は、仮想通貨には本質的価値は無いとしながらもUternamm氏の姿勢は「かなり強硬的だ!」と返答しました。
これまでも、仮想通貨に対する厳しい発言や非難は散見されましたが、「違法にするべき」という主張は珍しいかと思われ、市場も若干Utermann氏の発言に反応したことが指摘されます。
ETH先物上場に動き:CFTCが一般コメント募集開始
米商品先物取引委員会(CFTC)が11日付で(日本時間12日)イーサ(ETH)とイーサリアムに関する一般からのコメント募集(RFI:Request for Input)を開始しました。
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ビットコインなどの仮想通貨をまとめたメディア『FinAlt』が提供
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