19日の仮想通貨市場は全面高の展開だ。JPモルガン・チェースが弱気相場を受けて機関投資家が萎縮しているという見解を示したと報じられるものの、ビットコインに対する強気な発言が相次いだ。
また、信用問題で揺れるステーブルコインのテザーは十分なドル資金を持っているという報道があり安心感が広まった可能性がある。
(引用元:Coin360)
(引用元:TradingView「ビットコイン(BTC)/米ドルの推移(5日間))
ビットコイン価格の反発の要因として、BTCのマイニングに投入される計算能力の合計であるハッシュパワーの下げ止まりを指摘する声もある。FXcoinのシニアストラテジス氏松田康生は、レポートの中で、「ハッシュレートが下げ止まりを見せたことにより市場心理に回復傾向がみられた」と指摘。弱気相場で採算が合わずマイニングを停止する業者が相次いでいたが「ハッシュパワーが程よく低下した結果、ようやくコストに見合い始めたマイナーがスィッチを入れ始めた」と解説している。
また、11月15日のハードフォーク以来、市場に影を落としていたビットコインキャッシュの動向だが、過去24時間で20%以上上昇した。
(引用元:TradingView「ビットコインキャッシュ (BCH)/米ドルの推移(5日間))
「素晴らしい買いの機会を提供」
VCのブロックチェーンキャピタル社パートナーであるスペンサー・ボガート氏が、CNBCのインタビューに答え、現在の弱気相場は「素晴らしい買いの機会を提供している」と強気発言をした。
ボガード氏は、ブロックチェーンキャピタル社は「長期のベンチャー投資企業」と強調した上で、次のように発言した。
「ビットコインが5万ドルに到達するかって?もちろんだ」
ボタード氏は、その理由として、仮想通貨には、株価が割安か割高かを判断するための指標であるPER(株価収益率)がないため、新興ハイテク株の「天井」とした作用するものがないと解説した。また、2018年は、ライトニングネットワークの発達に見られるようにスケーリング(規模の拡大)で進展が見られ、「取引がかなり安く、かなり速くなっている」という認識を示した。さらに、ハーバード大学、スタンフォード大学、MITなど米大学が仮想通貨ファンドへの出資を始めたことや、インターコンチネンタル取引所(ICE)の仮想通貨プラットフォームのバックトが現物受け渡しのビットコイン先物を始めたことを、仮想通貨のカストディ (資産管理)サービスが整ってきていることをポジティブ材料にあげた。
一方、なぜ弱気相場になっているかの理由についてボガード氏は、これまでビットコイン市場が「ほぼ個人投資家によって動かされてきた」と分析。だから強気相場の時に「ちょっと高くなりすぎる」一方、弱気相場の時は「低くなりすぎる」と話した。今後ビットコインの価格がさらに下がる可能性を否定せず、「現在の水準から2000ドル、もしくは1000ドル」まで下がる可能性があるとしたが、だからこそ「絶好の買いの機会」であると述べた。
元ゴールドマンサックスのノボグラッツ 氏も、相変わらず強気だ。
仮想通貨の投資会社ギャラクシー・デジタル創業者のマイク・ノボグラッツ氏は、ビットコイン価格が今後さらに下げるとは思わないとし、短期では「3000ドル~6000ドルの間で推移するだろう」とと予想した。19日にブルームバーグが伝えた。
これまで同様、世界的な分散型のコンピューターシステム「ウェブ3.0」が広まるとともに、ビットコインが「デジタル版の富の保存方法」として定着すると強気な見方をみせた。
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