仮想通貨資産マネジメントのレジャーX は5日、ビットコインのマイナーに支払われる報酬が半減する日と関連付けた特有のデリバティブ商品を発表した。
不透明な経済リスクを抱えるマイナーを救済する狙いがあるという。
新たな金融商品の名前は、レジャーX ハルビング・コントラクト(LXHC)で、バイナリーオプションの一種。
ビットコインのマイナーに支払われる報酬が半減する日(63万ブロック目)を予測し、その日の前に実際に報酬半減が起きれば投資家が一定の報酬を受け取る仕組みだ。
予測日より後に実際の半減が起きたら、報酬はゼロだ。
ビットコインの取引を承認するマイナーに対する報酬は、1ブロックあたっり50BTCで開始し、21万ブロックごとに半減される仕組み。
これまで2回、報酬の半減が行われ、現在の報酬は12.5BTC。
報酬が6.25BTCになる日は、現在のところ2020年の5月25日と推定されているものの、誤差が出る可能性がある。
レジャーXは、新たな金融商品の狙いについて、マイナーの経済リスクに対応することと述べた。
「あなたがエクソンなどのような原油生産者で2020年にバレル数が永遠に半減することを知っているとしよう。しかし、あなたは正確にどの日にそれが起きるか分からない。それは、投資やオペレーション計画に大きな影響を与えるだろう。ビットコインのマイナーは、まさにこうしたリスクを負っている。しかも4年ごとにだ」
【追記】
レジャーXの新しい金融商品について、株式会社KBMJiの代表取締役でマイニングに詳しい木村武弘氏がコインテレグラフ日本版の取材に応じ、マイナーにとってリスクを減らす商品としての可能性について懐疑的な見方を示した。
木村氏はまず半減日の予測について「当てずっぽうにしかならない」とその難しさを指摘。
「次のブロックが繋がる時間すら正確には読めない」と話した。
また、半減日前後のマイナーの行動については次のように予測した。
「多くのBTCマイナーは半減期後のBTCの高騰を待ち望んでそれまでホールドすると思われ、ホールドしない場合はASIC(特定用途向け集積回路)を追加購入して再投資するでしょうね。」
その上で、巨大なハッシュレートを持つマイナーがレジャーXの賭けに参加し「意図的にハッシュレートを調整して日付を前後させれば多少は当てやすくなる」と指摘しつつも、「おそらく当てた場合の報酬よりも掘り続けた報酬の方が大きくなると予想できるので、やはり積極的にマイナーが参加するとは想像し難い」と述べた。
ただ、「単純なエンターテインメントとしては面白い」とし、関連商品が増えることについて前向きに捉えた。
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