
4月23日、仮想通貨の代表格であるビットコインの価格が急騰し、一時94,000ドルに迫る値動きを見せ市場は活況を呈しています。
この背景にはトランプ米大統領が中国に対する高関税について引き下げる可能性を示唆したことや、金融市場全体のセンチメントの改善があるとみられます。
トランプ大統領、対中関税の引き下げに言及
トランプ大統領はホワイトハウスで記者団に対し、現在145%とされる対中関税について言及しました。トランプ氏は「145%は非常に高い。そして、それほど高くはならないだろう」と述べ、関税率が大幅に引き下げられる可能性を示唆しました。
さらに、どの程度の水準まで引き下げるかとの問いに対しては「大幅に下がるだろうがゼロにはならないだろう」と語りました。大統領は中国との関係について「我々は中国に対して非常に良くするだろう。私は習近平主席と素晴らしい関係にある」と述べる一方で「彼らは年間数十億ドルも稼ぎ、軍備を強化していた。だからそれは(今後)起こらない」と、これまでの対中政策の正当性を主張しました。
金融市場はリスクオンムードに?
トランプ大統領の関税引き下げ示唆に加え、金融市場では他の要因も株価を押し上げています。現地時間22日、ベッセント財務長官は非公開の会合で米中貿易戦争が近い将来に「鎮静化する」との見通しを示しました。「現状維持が可能だと誰も考えていない」と述べ、関税率が現在の水準で維持されることはないとの認識を示したと報じられています。この発言を受け米株市場は上昇しました。
さらに、トランプ大統領はこれまで批判を繰り返してきた連邦準備制度理事会 (FRB) のパウエル議長について「解任する意図は全くない」と明言。同氏は「報道機関が話を飛躍させている。彼を解任する意図はない」とコメントしました。
この発言は金融政策の不確実性に対する市場の懸念を和らげ、株価先物は上昇しており記事執筆時、ダウ平均は+2.6%、S&P 500は+2.5%、ナスダックは+2.7%となっています。
市場関係者からは「現在、大量の資金が金(ゴールド)に退避している」との声も聞かれ、リスク資産への資金回帰が期待されています。
仮想通貨市場も全面高
金融市場のリスクオンムードは仮想通貨市場にも波及しています。23日午前8時現在(日本時間)、仮想通貨全体の時価総額は約3兆ドルに達し、24時間で4.2%上昇しました。
ビットコインは24時間で6.6%上昇し92,800ドル付近で取引されています。停滞感が指摘されていたイーサリアムも10.8%上昇し約1745ドルまで値を戻しました。
レイヤー1ブロックチェーンの$SUIは24時間で22%上昇し、時価総額上位の銘柄の中で最大の上昇率を記録しています。また、$BONKや$FARTCOINといったミームコインも20%以上の上昇を見せるなど、市場全体で楽観的なムードが広がっていることが窺えます。
トランプ政権の経済政策と今後の見通し
トランプ大統領は会見で関税政策の成果として米国内への投資が7兆ドルに達していることやApple社をはじめとする企業の国内生産への動き、自動車工場の建設が進んでいることなどを強調しました。物価に関してもガソリン価格や卵の価格が大幅に下落している点を挙げました。
一方で金利については「下がっていないがあまり上がってもいない」とし、FRBに対して「利下げに絶好のタイミングだ」と改めて利下げを促しました。
米中間の貿易交渉についてはベッセント財務長官が「骨の折れる作業になるだろう」と述べているように具体的な進展が見られるかはまだ不透明です。しかし、トランプ大統領の関税引き下げへの言及やパウエルFRB議長の解任否定発言は市場の不透明感を払拭し、投資家心理を改善させる要因となっています。今後の米中交渉の行方と金融政策の動向が引き続き市場の注目を集めます。
記事ソース:CoinGecko、Fox News、CNBC (1) (2) (3)
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