スペインの大手銀行サンタンデール銀行（Banco Santander）が、法定通貨に裏付けられたステーブルコインの開発と個人向け暗号資産サービスの拡大を検討していることが分かりました。
これは米ドルやユーロに連動するトークンを想定しており、まだ初期段階にあります。同行のデジタル子会社であるオープンバンクは、すでにEUの暗号資産市場規制（MiCA）に基づき個人向けサービスの提供ライセンスを申請済みです。JPモルガンなど他の大手銀行も同様にデジタル資産戦略を再評価しており、サンタンデール銀行の動きもこの流れに沿ったものと言えます。
しかし、ステーブルコインの普及に対してEUの規制当局内では意見が一致していません。欧州中央銀行（ECB）は、特にドル建てステーブルコインがユーロの地位を脅かす可能性があると強く警戒しています。ECBは現行のMiCA規制ではリスクへの対応が不十分だと主張しています。
これに対し、欧州委員会は現行規制でリスクは十分に管理可能であるとの見解です。金融の安定を脅かす事態には規制当局が介入できるためECBの懸念は過度であると反論しています。
サンタンデール銀行の今回の検討は伝統金融におけるデジタル資産の受容拡大を象徴する出来事です。同行の最終的な判断は、他の金融機関がこの新しい領域へどう進出していくかに影響を与える可能性があります。
情報ソース：Bloomberg
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