
米国議会下院は米国における仮想通貨の規制に関する3つの重要法案を可決しました。今回可決されたのは、ステーブルコインの規制を定める「GENIUS法」、デジタル資産市場全体の枠組みを構築する「CLARITY法」、そして中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行を制限する「反CBDC監視国家法案」です。これらの法案の可決は米国のデジタル金融政策における大きな転換点となる可能性があります。
下院本会議で行われた採決では、各法案が超党派の支持を得て可決されました。特に、ステーブルコインが米ドルなどの資産によって完全に裏付けられることを義務付ける「GENIUS法」は、賛成308票、反対122票で可決され、100名以上の民主党議員が賛成に回りました。また、証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の役割を明確化し、市場構造の確立を目指す「CLARITY法」も賛成294票、反対134票で可決され、約80名の民主党議員が支持しました。一方で連邦準備制度理事会(FRB)が個人に直接CBDCを発行することを禁じる「反CBDC監視国家法案」は賛成219票、反対210票という僅差での可決となりました。
今回の採決に対し、仮想通貨業界や関係者からは歓迎の声が相次いでいます。コインベースのエミリー・チョイ社長は「米国の仮想通貨と技術革新全般における支配力を確固たるものにするための大きな一歩」と自身のXアカウントに投稿しました。
Huge bipartisan turnout to advance stablecoins AND market structure in the House! This is a giant step toward cementing America’s dominance in crypto and tech innovation broadly. Kudos to the lawmakers from both parties who made this a reality — stablecoin legislation is headed… https://t.co/WjPFC4AGsd
— Emilie Choi 🛡️ (@emiliemc) July 17, 2025
共和党のティム・スコット上院議員も「『GENIUS法』はペイメントステーブルコインのイノベーションと消費者保護を促進するための大胆な一歩を踏み出す」とコメントしています。
The GENIUS Act takes a bold step forward to promote innovation and consumer protection for payment stablecoins.
Thank you to @SenatorHagerty for your work in leading this bill, and I look forward to @POTUS signing it into law!
— Tim Scott (@SenatorTimScott) July 17, 2025
今後の焦点は上院での審議に移ります。「GENIUS法」は既に6月に上院を通過しており、今後大きな修正がなければトランプ大統領の署名を経て成立する見通しです。一方、「CLARITY法」と「反CBDC監視国家法案」は、今後上院での審議と場合によっては修正が必要となります。特に僅差で可決された反CBDC法案を巡ってはプライバシー保護と金融の自由を重視する声と政府による適切な管理を求める声との間で今後も激しい議論が続くことが予想されます。
記事ソース:live.house.gov
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