販促メディア事業、人材メディア事業などを展開するリクルートホールディングス<6098>の中間持ち株会社であるリクルートは18日、利用者の機密情報に配慮したブロックチェーンを提供するBeam Development Limited(ビームデベロップメント)へ出資を行ったと発表した。
同社は昨年11月、ブロックチェーン関連スタートアップ企業への迅速な投資を目的とした新ファンド「RSP Blockchain Tech Fund Pte. Ltd.」を設立した。今回はこのファンドを通じてビームデベロップメントへ出資したようだ。
同社は、同ファンドについて「投資の対価として株式を取得するという形態以外の投資方法に着目し、トークンを用いて資金調達を行うスタートアップ企業への投資活動を通じて、ブロックチェーン技術の発展と普及を促進していく」との意向を示しており、主に海外を投資対象とし、関係する各国の規制やルールに則って投資対象を検討していくとしている。
ビームデベロップメントは、仮想通貨におけるプライバシーの向上を目指し、取引の匿名性や機密性を高めるMimblewimble(ミンブルウィンブル)を開発している。
既存のトークンでは、機密情報となり得るトランザクションに関するデータなどが第三者に流出してしまう可能性があるが、ビームデベロップメントが提供するトークンは、指定した第三者がトランザクションデータを検証することを許容することで、取引の監査への対応を確保。これにより、トランザクションに関するデータ等が第三者に流出しない機能を備えたブロックチェーンを実現するという。
リクルートホールディングスは、これまでも仮想通貨・ブロックチェーンに関する企業に積極的に出資を進めてきた。2015年1月には、傘下の投資会社リクルートストラテジックパートナーズを通じて、ビットコイン売買を手がけるビットフライヤーに出資した。また、昨年12月には、リクルートが投資子会社である合同会社RSPファンド6号を通じ、仮想通貨を担保とした法定通貨貸付サービスを提供するブロックファイへの出資を行ったと発表している。
発表に際し、同社は「ブロックチェーン技術分野はもちろん、関連する法制度も新規な技術分野とともに健全に発展していくことを見守り、かつ、支援を行っていく」とコメントしている。
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