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米SECに目を付けられた「分散型取引所」の未来はどうなる【フィスコ・仮想通貨コラム】

2018/11/21 18:39
FISCO

米証券取引委員会(SEC)は11月8日、未登録取引所の運営を行ったとして分散型取引所(DEX)イーサデルタの創業者ザカリー・コバーンを提訴していた問題で、和解が成立したと発表した。コバーンは不正に得た利益(30万ドル)とその利息に相当する金(1万3000ドル)および罰金(7万5000ドル)を支払うことで同意したが、違法行為については認めていない。

一見、単純な事件に思えるかも知れないが、イーサデルタがDEXだという事実が話を複雑にしている。DEXは昔ながらの証券取引所と言うよりは1つのソフトウエアだ。イーサリアム・ネットワーク上で走る「スマートコントラクト」で買い手と売り手を直接つなぐため、注文をさばく仲介役はおらず、手数料を取られることもない。当然ながらSECはソフトウエアに罰金を課すことはできない。だからその代わりにイーサデルタの創業者でソフトウエアの大半を書いたコバーンを罰金の対象にしたのだ。

SECの見方からすれば、イーサデルタが技術的にDEXだという事実は大した問題ではない。SECの報道発表資料によれば、イーサデルタはSECが昨年、トークンは証券に該当するとの報告書を公表した後も証券として分類されるタイプのトークンの取引を支援していた。イーサデルタは証券取引所としてSECに登録されておらず、例外の申請も行われていなかったから、これは証券の違法取引を意味する。

コバーンに罰金を命じるSECの公式文書からは、分散化されていようがいまいがSECがイーサデルタを証券取引所と解釈したことは明らかだ。文書には「複数の売り手と買い手からの、証券(トークン)を含むトークンの注文をまとめる取引の場としてイーサデルタは機能していた」と書かれている。またコバーンの違反については「イーサデルタを創設し、そのスマートコントラクトを書いてイーサリアム・ブロックチェーンに展開し、イーサデルタの運営に完全かつ唯一の采配を振るっていた」ために有罪だとした。

イーサデルタのようなDEXと従来型の取引所とでは機能の仕方が違うと主張するのは難しいだろう。イーサデルタの取引件数は一部の小規模な従来型証券取引所と変わらない。

でも今回の件が、すべての分散型取引所にとって終わりを意味するわけでもなさそうだ。SECの文書によれば、コバーンはイーサデルタの運営に特に深く関わっていた。またコバーンは「イーサデルタのスマートコントラクトを改変する能力を持つ唯一の人物」であることから、SECは彼を完全かつ唯一無二の支配力を持つと解釈した。だがそうした状況はあまり出てこないだろうし、他のDEXに比べてイーサデルタ内部の運営は「分散化」されていなかったのかも知れないと言える(イーサデルタは現在、非米国人の複数のオーナーの下で運営が続いている)。

だが、今回のニュースはSECの厳しい監視の目を逃れたいと考える他のDEXにとって、幸先のいい話とも言いがたい。ブロックチェーン業界に詳しい弁護士のキャサリン・ウーはコバーンに対するSECの文書を精査した後で、他のDEXの今後に対する見通しは「超ポジティブではない」とツイートした。また、ブロックチェーン・ドット・コムの社長兼最高法務責任者であるマルコ・サントリは、今回の件は多くの他のDEXにとっても他人事ではないとの考えをツイートした。「商業DEXが証券会社や証券取引所の規制の枠外にあるとは思えない」

ではそのことはどのくらい深刻な問題なのだろう。実はそれも判断に困るところだ。

SECがコバーンに課した罰金が多いか少ないかについては意見が分かれる。判断しづらい理由の1つは、罰金の対象となった違反行為のレベルが正確に分かっていないことだ。

SECがコバーンに罰金の支払いを命じた文書には、昨年の報告書の公表以降、イーサデルタで330万件の取引が行われたと書かれている。その少なくとも1部が証券に該当するとSECが考えるトークンの取引だったのは明らかだ。そうでなければコバーンに罰金が課されるはずがない。だが12ページにわたる文書では、具体的にどの取引が、どのトークンが該当するのかについては触れられていない。だから30万ドルの罰金が、たった1件の取引に対するものなのか、数千件いや数百万件の取引に対するものなのか分からないのだ。

五里霧中に感じられるかも知れないが、明るい材料もある。SECは少なくともICO(新興企業が資金調達のためにトークンを発行すること)について「平易な英語」での手引きを近いうちに公開するとしているのだ。だが今回の一件は氷山の一角に過ぎなくなるかも知れない。SECは「分散化」は証券関連法規を回避するための錦の御旗にはなり得ないと考えているようだし、SECが証券だと考えているのがどのトークンなのか誰にも分からない以上、DEXの運営に携わる者にとっては神経をすり減らす日々が続く。

(記事提供:LONGHASH)

<SI>

配信元: FISCO 株・企業報

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